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ファンタジー・スポーツサイトのFanDuelがグーグルキャピタルやタイムワーナ社から2億7,500億ドル(約334億円)を調達した。情報筋によると、FanDuelの評価額は、10億ドル(約1250億円)を超えたという。

「ファンタジー・スポーツ」とは実在のスポーツ選手を組み合わせて架空のチームを編成し、勝敗成績をポイント化して試合を行うシミュレーションゲームのこと。今回の資金調達は、FanDuelと、DraftKingsという業界のトップ2社が激しい競争を繰り広げる中実施された。両社のライバル関係は、大リーグのヤンキースとレッドソックスにも例えられている。

フォーブスは今年1月、FanDuel創業者Nigel Ecclesを取材した。その時点でFanDuelのユーザー数は110万人で、ファンタジー・スポーツ市場全体の75%を占めていた。その後、ライバルのDraftKings社はRedpoint VenturesやAtlas Venturesから3億2,500万ドルを調達し、スポーツチャンネルのESPNと大型のマーケティング契約を締結した。

ESPNの関与は、テレビ局がファンタジー・スポーツを大きなビジネス機会と捉えていることの証だ。FanDuelもメディア企業から多額の出資を得ており、これまでにComcast VenturesとNBC Sports Venturesが出資し、今回新たにTime Warnerが加わった。

テレビ会社がこぞってファンタジー・スポーツに関心を示すのは何故だろう? FanDuelの担当者によると同社のユーザーは、「通常のスポーツファンよりも、記事や動画などのスポーツ関連コンテンツの消費量が40%も多い」という。
米NBAでグローバルオペレーションを取り仕切るSal LaRoocaも以前、フォーブスの取材に対し「我々は、FanDuelが新たなNBAファンを開拓し、NBAの試合やウェブコンテンツに対するファンの関心を高めてくれると期待している」と述べていた。

ファンタジー・スポーツは、ユーザーを試合や自社メディアに熱中させるため、テレビ局にとって魅力的なビジネスだ。ただし、ユーザーが実際のお金を動かしてゲームに参加できることから「スポーツ賭博に該当する」という見方もある。ESPNがDraftKingsに出資するという報道もあったが、ファミリー向け事業を営むディズニーを親会社に持つESPNは、ギャンブルビジネスに直接関わることは避けたようだ。

しかし、FanDuelとDraft Kingsの事業は合法だ。2006年に成立したオンラインギャンブル禁止法は、ポーカーやスポーツ賭博を禁じているが、ファンタジー・スポーツは規制の対象に含まれていない。合法性を保つために様々なルールが設定されおり、これらのルールに従うことで、FanduelとDraft Kingsは事業の運営を続けている。
FanDuel創業者のNigel EcclesEcclesはフォーブスの取材に対し、かつてこう述べた。
「人々が熱狂するものをより迅速に提供してやれば、必ず成功する」

今回の2億7,500億ドルに及ぶ資金調達は、投資家らがその考えを支持した結果と言える。

文 = スティーブン・ベルトーニ(Forbes)/ 編集=上田裕資

 

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