同報告書は、中国政府がそのような活動に制限を設けたとしても、政府の監督下にない個人が、政府の目標に合致すると思われる行動に打って出るかもしれないと指摘している。
ODNIはこの報告書で、バイトダンスが所有するTikTokの中国のプロパガンダ部門が運営するアカウントは、2022年の中間選挙期間中に「両政党の候補者を標的にしていたと報じられた」と述べている。
同機関は、この報告書でTikTokに関する調査結果の詳細や情報源を引用していないが、フォーブスは2022年の記事で、中国の国営メディアが運営するTikTokのアカウントが、外国政府の仕業であることを明らかにすることなく、2022年の選挙の候補者らを批判する動画を投稿していたと報じていた。批判の対象は、主に共和党の候補者だったが、民主党候補をターゲットにする場合もあった。
米国の諜報機関は以前から、外国政府がソーシャルメディアを利用して米国の選挙結果に影響を及ぼす可能性があると警告してきた。2016年の大統領選挙後には、ロシア政府の支援を受けたアカウントが、トランプを有利にするためのキャンペーンを行ったことが複数の調査で指摘された。それから4年後に情報当局は、ロシアや中国、イランが2020年の選挙に干渉しようとしていたと報告した。
米国の選挙に影響を与えようとする外国政府によるこれまでの取り組みは、主にフェイスブックやツイッター(現X)で行われたとされているが、近年は北京に拠点を置くバイトダンスが運営するTikTokに監視の目が向けられている。
TikTokの幹部は、国家安全保障やプライバシーへの懸念から米国の議員らが圧力をかける中、このアプリと中国共産党との関係を繰り返し否定してきた。2022年の上院公聴会で、議員らはTikTokの幹部に中国のプロパガンダ行為について質問したが、TikTokの当時のCOOのバネッサ・パパスは、同アプリで戦略的意思決定を行う人物に中国共産党員はいないと述べていた。
米下院は13日に、バイトダンスが6カ月以内にTikTokを売却しない限り、このアプリを米国のアプリストアから追放する法案を採決する予定だ。
(forbes.com 原文)