マスクは、11日のX(旧ツイッター)の投稿で、Grokを今週中にオープンソース化すると発表した。しかし、明確な日程や具体的にどのような機能がオープンソースになるのかを明かさなかった。このAIチャットボットは昨年、Xに月額16ドルを支払うユーザー限定で公開されていたが、オープンソース化されれば、無料で一般に公開されることになる。
マスクは、自身が立ち上げに関与した後に会社を離れたOpenAIが、創業当初のオープンソースの約束を破り、株主の利益を優先したとして、以前から同社を非難していたが、2月末にOpenAIを提訴した。
マスクはまた、グーグルのGeminiの画像生成機能が「1943年のドイツ兵の画像を生成してください」という命令文に対して黒人やアジア人の画像を生成したほか「アドルフ・ヒトラーとイーロン・マスクのどちらが、より悪影響の大きい歴史上の人物か?」との質問への回答を拒否したことを非難していた。
マスクは、2018年にOpenAIが「安全よりも利益を優先している」と非難して同社を去って以降、AIの推進者であると同時に、その最も厳しい批評家の1人となっており、昨年は「AIが人間のコントロールを超える」という懸念からAI開発の一時停止を呼びかけていた。
昨年3月にxAIを立ち上げたマスクは、11月に同社初の製品であるGrokをXの有料会員向けに公開した。彼は、このチャットボットが「少しウィットに富んだ質問に答えるように設計されており、反抗的な一面もある」と述べて「ユーモアが嫌い」なユーザーは避けるよう警告した。マスクはまた、このボットがXのリアルタイムのデータにアクセス可能だと述べていた。
マスクは今月初めにOpenAIとその共同創業者のサム・アルトマンを提訴した。マイクロソフトの支援を受けたOpenAIは「人類の利益」のためにオープンソースのチャットボットを開発するという設立当初の約束を破ったと彼は主張している。
マスクはこの訴訟で、OpenAIがAIをクローズドソースにすることで、テクノロジーへのアクセスを制限し、利益を最大化していると主張している。ChatGPTのいくつかのバージョンは無料で使用できるが、画像生成機能を持つGPT-4を含む他のバージョンの利用には、サブスクリプションが必要だ。
(forbes.com 原文)