メタ株が急落、「フェイスブックは国民の敵」とトランプ発言で

マーク・ザッカーバーグ(Tom Williams/CQ-Roll Call, Inc via Getty Images)

フェイスブックとインスタグラムの親会社であるメタの株価は3月11日、トランプ前大統領がフェイスブックを「国民の敵」と酷評したことを受けて急落した。

メタの株価は11日、約4.5%下落して先月末以来の安値の484ドル弱に沈み、昨年7月20日以降で最悪のパフォーマンスを記録した。

この急落は、トランプの11日朝のCNBCの番組でのコメントを受けてのものだ。彼は、国家の安全保障上の懸念から中国バイトダンスのTikTokを米国政府が禁止すれば「米国民の敵であるフェイスブック」に大きな追い風を与えることになると発言した。

メタの株価は、今から2カ月足らず前の1月19日に史上最高値を更新した後にさらに上昇しており、2月1日に開示した2023年第4四半期の売上高と純利益はともに過去最高を記録していた。同社の株価は、年初から29%近く上昇しており、拡張現実(AR)と仮想現実(VR)への取り組みに起因する損失が招いた2022年の低迷から立ち直っている。

米国下院エネルギー・商業委員会は7日、TikTokを米国内で事実上禁止する法案を全会一致で可決し、親会社のバイトダンスに対し、6カ月以内にプラットフォームを売却するか、さもなくば米国ユーザーの利用を禁止するよう求めた。スティーブ・スカリス下院院内総務は採決後、早ければ今週中にもこの法案を議場に提出することを誓った。

この法案は、下院本会議で承認されれば、上院の審議を経てバイデン大統領が署名することになる。共和党の大統領候補の指名獲得を確実にしたトランプは11日に、TikTokの禁止を支持するかどうかについては明言しなかった。

一方、メタはまたここ数カ月で33の州から「実質的な危険性」をめぐる訴訟を起こされ、特に子どもをターゲットにした広告を非難されている。同社とCEOのマーク・ザッカーバーグはまた、性被害やインターネット上の勧誘、人身売買から未成年者を保護する対策を怠ったとして、昨年12月にニューメキシコ州の当局から訴訟を起こされていた。

フォーブスの試算によると、世界第4位の富豪であるザッカーバーグは、11日に推定77億ドルの保有資産を失った。ザッカーバーグの保有資産は約1696億ドル(約25兆円)で、LVMHのベルナール・アルノー(2342億ドル)やイーロン・マスク(1965億ドル)、ジェフ・ベゾス(1905億ドル)らに大きな差をつけられている。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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