食&酒

2024.03.13 13:15

多国籍タウンで大学生たちが企画運営した食フェス川口エスニックフード祭り

「川口エスニックフード祭り」が開催されたキュポ・ラ広場はJR川口駅前にある

「川口エスニックフード祭り」が開催されたキュポ・ラ広場はJR川口駅前にある

2月16日から18日にかけて、埼玉県川口市のキュポ・ラ広場で「川口エスニックフード祭り」という食フェスが開催された。
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会場にはバナナの葉で包んだスリランカのランプライスやネパールのバターチキンカレー、トルコのドネルケバブ、キューバサンドのほか、フォー(ベトナム)やパッタイ(タイ)、ホッケンミー(マレーシア)、台湾ラーメンなどの19の各国料理のブースが並んだ。

ランプライスは「Aki Foods」が提供。大宮にある人気スリランカ料理店で、この種のフェスの常連だという

ランプライスは「Aki Foods」が提供。大宮にある人気スリランカ料理店で、この種のフェスの常連だという

「Aki Foods」の前で出会った地元在住のスリランカ人のカップル

「Aki Foods」の前で出会った地元在住のスリランカ人のカップル

子供連れの家族も多く、地元市民の祭りであることが感じられ、外国籍の住民の姿も見られた。特設ステージでは、サンバやインド舞踊、ケルト音楽の演奏などがあり、各国のエスニックグッズを並べた物販ブースもあった。

若い大道芸人を呼んだことで、地元の家族や子供たちが大喜び

若い大道芸人を呼んだことで、地元の家族や子供たちが大喜び

大学生たちが食フェスを開催した理由

このフェスを企画・運営したのは、慶應義塾大学公認学生団体「S.A.L.」のメンバー有志で、「川口市を多文化共生都市のロールモデルにしたい」との思いから立ち上げた「EthniCity Kawaguchiプロジェクト」の学生たちだ。
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代表を務めるのは八重樫海斗さんで、川口市の出身。小中学時代は地元の学校に通っていたそうだ。昨年10月にこの企画を思いつき、数カ月後には実現してしまった。とにかくその行動力には驚かされた。運営には20名くらいの学生が関わっているという。フェスの終了後、八重樫さんに話を聞いた。

地元外国人も対象にした子ども食堂を運営している川口のネパール料理店「CAFE ALI」のスタッフと八重樫海斗さん

地元外国人も対象にした子ども食堂を運営している川口のネパール料理店「CAFE ALI」のスタッフと八重樫海斗さん

「来場者数は飲食ブースの売上などからみて、延べ1万人以上はいたと思う。学生からご年配まで、あらゆる年代の人たちにご来場いただき、さまざまな国籍の地元在住の外国人も数多く見受けられた。60万円の売上があった店の話も聞いた」

埼玉県の南端に位置する川口市は、荒川を隔てて東京に接しており、都心への通勤にも便利なベッドタウンとして知られているが、最大の特徴は、外国人住民の多さである。

川口市がこのような多国籍タウンへと変貌していくのは、いまから30年前の1990年代頃から。外国人登録者数が初めて1万人を超えたのが2000年で、2023年には3万9553人と4倍に増加。その内訳は、人口順で中国、ベトナム、フィリピン、韓国、トルコなどで、市の総人口の6.5パーセントを占めており、全国で最も外国人住民の多い自治体となっている。

いまから10年以上前の2012年に策定された「川口市多文化共生指針」では、同市は「江戸の昔から鋳物や植木などの産業を核に」「昭和50年代以降は首都圏の経済を支える人口集中が進み、『キューポラのまち』から『住みよいまち川口』へ」と発展を遂げたが、「近年は社会のグローバル化を反映して外国人住民も年々増加の一途」だという。
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文・写真=中村正人

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