2024.03.12 17:30

2024年版「最も環境にやさしいクルマ」 日本車・韓国車が席巻

トヨタ・プリウス・プライムは、米国エネルギー効率経済協議会により、2024年に米国で販売される「最も環境にやさしいクルマ」と見なされた(画像:Toyota)

ACEEEが審査した主要な1200の車種には、それぞれ「グリーンスコア」と呼ばれる総合点が与えられる。その点数によって、各車の環境に対する「やさしさ」(あるいは「やさしくなさ」)を、相対的に比較することができるという仕組みだ。
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この点数は100点満点で表されており、点数が高いほど環境にやさしいということになる。この評価において、2024年に最も高得点を獲得したのは、トヨタ・プリウス・プライム(日本名:トヨタ・プリウス・プラグインハイブリッド)の71点だった。この記事の文末には上位12車種の車名と、2024年版で獲得したグリーンスコア点数、米国における販売価格(日本で販売されている車種は日本での価格も。ただし仕様は異なる場合がある)を記しておく。

クルマの生涯にわたる環境への影響を評価

ACEEEによる格付けは、米国環境保護庁やカリフォルニア州大気資源局に報告されている各車の燃料消費率(または電力消費率)と排出物(粒子状物質、窒素酸化物、炭化水素など)だけを基準にしているわけではない。ACEEEでは、さらにその車種が「ゆりかごから墓場まで」つまり生産から廃棄に至るまで、クルマの生涯にわたる環境への影響も評価する。

その中には、製造時に出る廃棄物や排出物、車両の動力源、そして車体の廃棄やリサイクル時における環境負荷が含まれる。EVやPHVではさらに、走行に要する電力の生産にともなうガス排出量も考慮される。それは現実世界では地域によって異なるが、水力や風力、太陽光などの再生可能エネルギーによる発電がもっともクリーンだ。

だが、必ずしも誰もがEVを求めたり、あるいは所有できるわけではないため、ACEEEのウェブサイト「GreenerCars.org」では「より環境にやさしい」内燃エンジン車やハイブリッド車の選択肢も特定している。2024年に選出されたそれらのクルマには、内燃エンジン搭載の小型車である三菱ミラージュやミニ・クーパー・コンバーチブル、キア・ソウル、そして2人乗りスポーツカーのBMW Z4、中型ピックアップトラックのフォード・レンジャーなどが含まれる。
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そして何事においても勝者がいるところには敗者もいるわけで、ACEEEは同様に、毎年「最も環境にやさしくない」クルマのリストも公開している。2024年は悪名高い巨大な箱型のSUV、メルセデスAMG G63がその筆頭となり、グリーンスコアは100点満点中わずか20点だった。今年の最も「汚れた12台」については別の記事で紹介する。
次ページ > ACEEEの調べによる2024年版「最も環境にやさしいクルマ」

翻訳=日下部博一

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