訴状によれば、MITのユダヤ人学生やイスラエル出身の学生には、反ユダヤ主義の影響で卒業や試験の日程を延期せざるを得なかった者もおり、一部の教授はキャンパス内での差別を理由にMITを去ったという。
AP通信によると、訴訟はMITがユダヤ人学生を差別または処罰するような施策の作成、維持、実行を停止するよう裁判所に求めている。また「反ユダヤ主義的な行動をとる」教職員の解雇と学生の退学処分も求めている。
ここ数カ月、ハーバード大学、コロンビア大学、ニューヨーク大学、ペンシルベニア大学も、反ユダヤ主義を容認したとして同様の訴訟を起こされている。
MITはForbesのコメント要請にまだ応じていない。
MITイスラエル同盟が11月に発行した学内ニュースレターは、訴訟で提起された懸念や告発と同様の内容を伝えている。そこでは、イスラエル支持者とみられる学生が「MITコミュニティのメンバーから私的に、そして公に威嚇され、標的にされた」と主張され、ユダヤ人学生やイスラエル出身の学生が学部ラウンジから追い出され、ユダヤ人やイスラエル人の教職員のオフィスが襲撃されたと報告されている。
MITでは最近、学生グループ「アパルトヘイト(人種隔離)に反対する連合」が、キャンパス内で反イスラエルのデモを適切な許可を得ずに行ったとして活動停止処分を受けた。MITのサリー・コーンブルース学長はビデオ声明で、グループの活動停止処分はスピーチの内容とは無関係であり「キャンパス内のすべての人が自分の意見を表明する権利」は全面的に支持すると述べた。
ハーバード大学が、学内での反ユダヤ主義を処罰しなかったとして学生から提訴されてから2カ月も経たないうちに、今回のMITに対する訴訟は起こった。ハーバード大学の訴訟では、学生側は反ユダヤ主義に関与した大学管理者や教職員の解雇を求めている。
ハーバード大学は、この訴訟のはるか以前から論争に巻き込まれており、名門大学が反ユダヤ主義を容認していると批判する施策立案者や卒業生の監視の対象になっていた。ハーバード大学、マサチューセッツ工科大学、ペンシルバニア大学の学長は、12月に行われた公聴会で、それぞれのキャンパスにおける反ユダヤ主義への対応について議会の前で証言した。学校を巡る論争の中でハーバードの学長を辞任したクローディン・ゲイは、公聴会で、大学キャンパスで「反ユダヤ主義が劇的に、そして深く憂慮されるほどに高まっている」のを目の当たりにしたと述べた。
(forbes.com 原文)