今回は、能登半島地震で大きな被害を受けた被災地を支援するための企業版ふるさと納税の活用法に着目。個人のふるさと納税では、被災直後に被災自治体とは別の自治体による返礼品を伴わない代理寄付の仕組みが注目されたが、実はいま復興に向けて被災自治体が自ら「企業版ふるさと納税」を呼びかけている。
自治体とタッグを組む企業版ふるさと納税コンサルタントで、株式会社カルティブ執行役員の小坪拓也氏に話を聞いた。
東日本大震災から得た被災地支援の教訓
クレイ勇輝(以下、クレイ):これまでこの連載では、企業版ふるさと納税を使って自治体をどう盛り上げていくか、地方創生の観点から自治体首長や企業の方にお話を聞いてきました。今回は少し視点を変えて、企業版ふるさと納税を活用した被災地支援について考えてみたいと思います。1月に起きた能登半島地震を受けて、企業版ふるさと納税で被災地を支援したいという声が、お付き合いがある企業の方から複数聞こえてきたんです。実は企業版ふるさと納税でも被災地支援ができるので、石川県や各市町などへ寄付する動きが起きています。
まず、カルティブは企業版ふるさと納税にはどのように関わっているのでしょうか。
小坪拓也(以下、小坪):カルティブは地域が抱える課題を、地域と企業、そして国と連携しながら解決する事業を行っています。その中で、企業版ふるさと納税を活用した地域課題解決プラットフォームを展開しています。それが2020年4月からサービスを開始した「river(リバー)」です。
企業版ふるさと納税を活用したい自治体に対して、内閣府に申請する地域再生計画の作成を支援したり、課題を抱える自治体と、お金だけでなく自社の得意分野を地域に役立てたいと考える企業を結ぶマッチング支援を行ったりしており、これまで1500件以上の寄付に立ち会ってきました。
クレイ:小坪さんは自治体や企業だけでなく、自治体から申請された企業版ふるさと納税の事業認定を行う内閣府地方創生推進事務局の方とも話をする機会が多いと思います。今回の災害を受けてどういった話をされましたか。
小坪:地方創生推進事務局の方は、まずは企業版ふるさと納税を被災地支援にも活かせることを企業の方に発信したいというお考えをお持ちでした。riverではこれまでオンライン無料セミナーを500回件以上開催してきたので、そのノウハウを活かして企業に広く呼びかけようと、今回も震災支援のオンライン無料セミナーをすでに2回開催しており、5月8日にも開催予定です。
クレイ:反応はどうですか?