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2024.03.09 12:00

アップル、EUユーザーの「サイドローディング」アプリについて正式見解発表

新しいiOSは長期間国外旅行するEUユーザー影響を与えるかもしれない(Getty Images)

新しいiOSは長期間国外旅行するEUユーザー影響を与えるかもしれない(Getty Images)

先にiPhoneの最新OSであるiOS 17.4が公開され、数多くの新機能が追加された。しかし、iPhoneを国外で使いたいEU圏のユーザーにとっては寝耳に水の事態が起こりうる予期せぬ展開になっている。そしてアップルは、つい最近それに関して詳細を明らかにした。

現在、世界のiPhoneソフトウェアは、EUのユーザーとそれ以外のユーザー向けの2つに分けられている。新たに施行されたEUデジタル市場法のために、アップルはiPhoneのソフトウェアを何らかのかたちで開放することを余儀なくされた。そのためEUのiPhoneユーザーは、外部のマーケットプレイスからもアプリを入手できるようになっている。

これはアップルが提供するApp Storeに存在しないアプリを、別のマーケットプレイスを通じてダウンロードできるということを意味している。この状況がどのような結果をもたらすかについては、時間が経てばわかるだろうが、EUのApple IDをもつユーザーにこれらのアプリを提供する企業がすでに存在している。

アップルはサポートドキュメントで「あなたのApple IDの国または地域は、欧州連合の国または地域のいずれかに設定されている必要があり、あなたは物理的に欧州連合内に居住していなければならない」と述べている。

明確な説明だが、私たちはネットに繋がった世界に生きている。EUユーザーがEU圏に旅行するときはどうなるのだろうか? アップルは、外部のマーケットプレイスから入手したアプリは、国外でも動作するというが、詳細はあまり語らず「短期間の旅行で欧州連合を離れるときは、猶予期間として外部のアプリマーケットプレイスにアクセスできます。長期間離れるときは、一部の機能を利用できなくなります」とだけ述べている

猶予期間がどのくらいなのかについては触れられていないが、その後、幸いなことにアップルはそのドキュメントを更新し、猶予期間(呼び名は変わったが)は30日だと明確に記している。

現在の記述は「あなたが欧州連合を離れたとき、それまでに外部のアプリマーケットプレイスからインストールしたアプリを継続して使用することができます。あなたがEUを離れてから最大30日間、外部のアプリマーケットプレイスを利用してそれらのアプリを引き続きアップデート可能であり、インストール済みのアプリを管理するために外部のアプリマーケットプレイスにアクセスできます。ただし、外部のアプリマーケットプレイスや外部のアプリマーケットプレイスから新たにアプリをインストールするためには、EU内にいる必要があります」となっている。

つまり、マーケットプレイスからすでにダウンロードしてあるアプリは、どこに行っても使い続けることができるが、EUを離れてから30日以降は、アップデートができなってしまう。

ほとんどの人にとって、30日間は十分な長さかもしれないが、たとえば欧州の一部の国では、8月いっぱい続く長い夏休みをとる人が多い。

現在、この条件はEUのみに適用されているが、他国の政府は自国民のために同じような法律を施行すべきかどうかを見極めようとその成り行きに注目している。今後の動向から目が離せない。
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forbes.com 原文

翻訳=高橋信夫

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