ワシントン・ポストは3月7日、民主党のジェイミー・ラスキン下院議員とロバート・ガルシア下院議がスペースXに書簡を送り、同社がロシアによるスターリンクの利用を防ぐための適切な防護策やポリシーを導入していないことへの懸念を表明したと報じた。
両議員はスペースXに対し、ロシアが端末を不正に入手することにつながった、安全保障上の問題にどのように対処していたかの説明を求めている。議員らはまた、国防総省や他の政府機関と共同で調査を行う予定だと述べ、3月20日までに一連の質問に回答するよう求めている。
スペースXは、フォーブスからのコメント要請にただちに返答しなかった。
「スターリンクは、ロシアの残忍で非合法な侵略と戦うウクライナの人々にとってかけがえのないリソースだ」と議員らは書き「ロシアがスペースXの技術を、ウクライナ軍に対する攻撃のために使用していることは、憂慮すべきことだ」と付け加えた。
マスクは先月、スペースXがロシアにスターリンク端末を販売しているという報道を否定し「まったくの誤りだ」と述べていた。
ウクライナの諜報機関は先月、ウクライナ東部のロシア軍同士の会話を無線で傍受し、ロシア軍によるスターリンク端末の使用が増加していると述べていた。ウクライナ国防省情報総局の報道官は、ロシアによるスターリンク端末の使用は、組織的なものになりつつあると述べた。また、ウクライナ国防省のキリロ・ブダノウ情報局長は、ウォール・ストリート・ジャーナルに対し、ロシア軍部隊は、他国の外部のベンダーを含む「オープンな市場」でスターリンク端末を入手していると語った。
ロシア軍は「かなり長い間」スターリンクのインターネットを通信に使用しているとブダノウ局長は述べていた。一方、スペースXは、同社の端末のロシア国内での販売や出荷、機能の提供を否定し、現地でスターリンクを販売する会社は「顧客を騙している」と付け加えた。同社のインターネット接続は、ロシアの侵攻の開始初期からウクライナ軍によって広く利用されており、約4万2000台の端末がウクライナ全土で稼働している。
(forbes.com 原文)