経済

2024.03.08 08:30

2月の米人員削減数8万4000人超、2009年以降で最多

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米再就職支援会社チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマスが7日発表した最新統計によると、米国に拠点を置く雇用主が今年2月に発表した人員削減数は8万4638人で、前年同月比9%増加した。2月の雇用削減数としては2009年以来最多となった。

ただ、1月と2月の人員削減数の合計は、前年同期の18万713人から16万6945人へと7.6%減少した。

今年に入って最も多くの人員を削減したのはテック部門(2万8218人)で、金融部門(2万6856人)が続く。一方、前年同期比では金融部門が56%増だったのに対し、テック部門は55%減となっている。

削減数としては大幅に少ないものの、他の業種でも今年に入り人員カットの嵐が吹き荒れている。工業製造部門では前年比1754%増の7806人、エネルギー部門では同1059%増の4486人、教育部門では同944%増の6336人が削減された。

今年これまでの人員削減の主な理由として企業が挙げたのは「リストラ(企業再構築)」が対象者3万7659人で最も多く「店舗、部門、工場の閉鎖」が同2万6272人「コスト削減」が同2万890人だった。

採用数も、1月以降の合計で2009年以来最少となっている。米雇用主が2月に発表した採用計画は1万317人で、1月の5376人よりは多かったが、例年平均と比べるとはるかに少ない(たとえば、昨年1月に発表された採用計画は3万2764人だった)。

今年は年明け早々に、金融大手シティグループ(2万人)、物流大手UPS(1万2000人)、決済大手PayPal(2500人)など大手企業の人員削減発表が相次いだ。

2月には、ネットワーク機器大手シスコシステムズが企業のIT投資減少を理由に従業員の5%(約4250人)を削減すると発表。オンライン旅行代理店のエクスペディアは、旅行需要の減少により1500人を削減すると明らかにした。電気自動車(EV)スタートアップのリビアンはこの3年間で3度目のレイオフ(一時解雇)を発表し、1000人以上の従業員が雇用を失うとみられる。

テック系メディアのTechCrunchによると3月も、オンライン決済プラットフォームのMelioや、サッカーを題材にしたNFTゲーム(ブロックチェーンゲーム)のSorare(ソラーレ)など、数社がすでにレイオフを発表している。

メディア業界では今年1~2月に4685人が削減された。前年同期比では52%の減少だが、ニュース部門(放送・デジタル・新聞)に限定すると同94%増となる1754人が雇用を失った。人員を削減したニュースメディアには、米紙ロサンゼルス・タイムズ、NBCニュース、米誌タイム、スポーツ雑誌のスポーツ・イラストレイテッドなどが含まれる。

レイオフの嵐と雇用の低迷にもかかわらず、米国の失業率は依然として低い。最新の雇用統計によると、昨年12月から今年2月までの失業率は3.7%で、予測値の3.8%を下回った。

forbes.com 原文

翻訳・編集=荻原藤緒

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