食&酒

2024.03.13 15:15

ハワイと広島、ブームの「おまかせ寿司」が繋ぐ意外な「絆」

稲垣 伸寿
「すべてに、本当に細部にわたって魂を込めました。寿司店ではあるのですが、ギャラリーも兼ねており、実際に絵画も販売しています。座るだけでもワクワクするでしょう? 広島の職人が手がけた器も展示していますし、お客さまに喜んでいただける工夫を随所に施してあります。寿司職人も広島から連れてきました。サービスも決して妥協しない日本のおもてなしのレベルを堅持しています」(松田氏)

「與平寿司カハラ」のカウンターを仕切るのは広島県からやって来た仲川武行料理長

「與平寿司カハラ」のカウンターを仕切るのは広島県からやって来た仲川武行料理長

ギャラリーも兼ねたモダンな店内。飾られた絵は購入することができる

ギャラリーも兼ねたモダンな店内。飾られた絵は購入することができる

寿司のコースは、それぞれハワイ語で「ピリナ」220ドル、「キノヒ」280ドル、「ホク」350ドルの3種類。それぞれ、焼き物やお椀、お造り8種盛りの「八寸」など手の込んだメニュー構成で、見た目にも楽しませてくれる。店のロゴが入った山桜製の箸は食事後に特製ケースに入れて持ち帰れるというのも面白い趣向だ。

「與平寿司カハラ」のシグニチャーである「八寸」。和製タパスの8点盛りだ

「與平寿司カハラ」のシグニチャーである「八寸」。和製タパスの8点盛りだ

山桜製のオリジナル箸は、化粧箱に入れて持ち帰れるという趣向

山桜製のオリジナル箸は、化粧箱に入れて持ち帰れるという趣向

このコースに、寿司には珍しいアルコールのペアリングを追加することができる(50、80、120ドルの3種類)。シャンパンや日本酒、ワインなど料理に合ったお酒を組み合わせてくれ、最後に「もう1杯お好きなものをお代わり」という嬉しいサービスもある。

ワインの品揃えはハワイの寿司店では随一。オーナーが趣味で収集したという貴重なボトルもある

ワインの品揃えはハワイの寿司店では随一。オーナーが趣味で収集したという貴重なボトルもある

「私にとっての最高を突き詰めたので、料金設定は高いと感じられるかもしれません(苦笑)。ただ、メニューはおまかせコースだけでなくアラカルトもご用意しており、今後ランチやテイクアウトも対応する予定です。

「いまのハワイで最高の寿司を提供したい」というオーナーの想いが詰まったメニュー

「いまのハワイで最高の寿司を提供したい」というオーナーの想いが詰まったメニュー

與平寿司は単なる日本の江戸前寿司ではありません。ハワイで挑戦して、ハワイに育てられた寿司店です。カハラの新店も、ハワイ地元の皆さまの誇りとなれるよう、お客様お1人お1人に感謝の気持ちを込め、いま私たちができる”最高”を提供していきます」(松田氏)

広島とハワイ。ともに原爆と移民という試練を乗り越えて、今日をつくった2つの都市が、寿司という日本の文化でつながった。こんな素晴らしいストーリーも詰まった江戸前寿司、ハワイで一度味わってみてはいかがだろうか。

文=岩瀬英介

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