中国市場の販売台数のトップはVivoだが、本当の勝者は2位のファーウェイで、同社の販売台数は64%も急増した。
ファーウェイは当初、Android OSを搭載した低価格端末でアップルやサムスンのデバイスの性能を広く再現していた。しかし、米国の禁止令によって同社は、Androidの使用を禁じられ、次に米国のチップセットの使用を禁じられた。そんな中、ファーウェイは独自のサプライチェーンと新たなOSのエコシステムを携えて復活を遂げたのだ。
筆者は、2019年に、ファーウェイがHarmonyOSのエコシステムを成功に導けば、彼らは巨大な力を手にすることになると警告していた。これは、ファーウェイが独自の道を歩みだすだけでなく、スマートフォンのエコシステムを10年以上ぶりに大きく揺るがすことを意味する。このことは、米国政府とシリコンバレーにとって悪い知らせに違いない。
それから5年が経過した今、ファーウェイの進化のペースは人々を驚かせている。同社は先月「HarmonyOS Next」を発表し、HarmonyOSからの完全脱却を宣言した。そして、米国企業との取引を禁じられたファーウェイは、エヌビディアでさえも「今や人工知能(AI)分野における重大な競争相手になった」と述べる独自のチップセットの開発に成功した。
AIでも国際展開を目指すファーウェイ
一方、今週報じられたさらに興味深いニュースは、中国のシリコンバレーと呼ばれる深圳が、ファーウェイの取り組みを後押ししていることだ。香港の英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)は4日の記事で、深圳市の当局が「HarmonyOSで構築されたネイティブアプリの数を増やし、主要分野での採用を推進する」ことを計画しているだけでなく、2024年の市の行動計画で「HarmonyOSベースのアプリの採用を政府のサービスや教育、ヘルスケア、銀行・金融、交通、福祉を含む分野で義務づけた」と報じた。