Forbes BrandVoice!! とは BrandVoiceは、企業や団体のコンテンツマーケティングを行うForbes JAPANの企画広告です。

2024.03.18

【庵野秀明・PwC平間和宏】これからの映像産業 「興行性」と「作品性」にどう向き合うか

激変する受け手の行動やビジネス環境、デジタル技術の加速度的な進展などにより、大変革期を迎えるエンタメ・メディア業界において、日本の作り手、そして送り手はどのように作品と向き合っていくべきなのか——PwCコンサルティング「エンタテイメント&メディアダイアログ」の発行人を務めるディレクターの平間和宏が、数々のヒット作品の脚本・監督・プロデューサーを務めるカラー代表取締役の庵野秀明と議論する。


メディアを取り巻く環境変化をどう受け入れるか

平間和宏(以下、平間):今までの映像作品はテレビや映画館など限られた手段で受動的に鑑賞するものでした。しかし、昨今ではインターネットやデバイス進化に伴い、受け手が好きな時に好きな場所、方法でコンテンツ視聴が可能な状態となりました。また、SNSの浸透により、ファンダム形成もグローバル規模で加速し易くなっています。このようなメディア環境変化について、庵野さんはどのように感じてらっしゃいますか?

庵野秀明(以下、庵野):やはり、受け手が映像を観る手段というのが増えたことが大きな変化の要因だと思います。特にスマホの普及によって、映像配信ビジネスも広がってきています。基本的には、人間は物理的に楽なほうへ流れるものですから、映画館に行かなくてもスマホで同じものが観られるならスマホでいいのだろうと思います。もちろん映画館や大画面で観たいという人もいますが、そういう人たちはマイノリティになってきているのではないかと。

ただ、映画の作り手としては、大画面で上映することを前提として作っているので、「映画館で観たほうが良いもの」にはしておきたい。ネット配信をスマホで初めて見る人にも、「大きい画面で観たほうが良かったな」と思ってもらえる作品にしたい、という気持ちもあるんです。

近年、映画を観るお客さん自体が限られてきており、世の中には映画やマンガに触れることのない人たちもたくさんいます。僕の親の世代だと映画を観るぐらいしか時間の潰し方がなかったでしょうし、20年くらい前までならば、終電を逃したから映画館のオールナイト上映を観ながら始発を待つ、なんてこともありました。でも、今は娯楽も増え、選択肢がそれだけではなくなりましたね。

平間:メディア環境が変わることによって、受け手の意識や行動自体も変化してきますよね。私自身も、人気テレビドラマの放送時間に合わせて帰宅を急いだり、大ファンだった作品の新作映画が封切られる初日に徹夜で並んで観た想い出もあります。昭和、平成のマスメディアが主流だった時代から受け手の選択肢、嗜好に合わせて細分化したパーソナルメディアの時代になっていますね。

その新たなトレンドの中軸にはZ世代の存在があり、SNSを通じて世界中と常にオンラインでつながっている状態のため、マスメディアとは違う経路でグローバルヒットが生まれたり、ローカルあるいは過去のコンテンツ人気に火がついたりといった現象も起こっています。庵野さんは作品を制作する上で世代を意識されることはありますか?

庵野:作品が“商品”である以上どうしてもコアターゲットがあるので、それがZ世代向けのときはすごく意識するはずです。ただ、60歳を過ぎた僕がZ世代に向けた作品を作っても、おそらくピントが外れてしまうでしょう。

中二で固まる感受性の基盤

平間:庵野さんでも「ピントが外れる」とは意外でした。その理由はなぜでしょう?タイパ(タイムパフォーマンス)やコスパ(コストパフォーマンス)といった新たな価値観や、倍速やスキップ視聴などの行動特性または、感性の違いがあるからでしょうか?

庵野:よく、人の味覚は3〜4歳頃までに決まるといわれますが、エンタメに対する個人の感性は、中学2年生頃までに観たものに一生影響を受けるのではないかと考えています。例えば50年以上続く特撮シリーズの作品の中で、僕が一番好きなのは初期の作品ですが、今の子どもたちからしたら、やはり現代に作られた作品のほうが惹かれると思うんです。
同じ作品でも、観た時期によって印象がガラッと変わりますよね。

平間:「多感な思春期の頃に見た作品が異なるので、ピントがズレる」というのは非常に興味深いですね。ちょうど、私たちは映像作品の受容時における感動や余韻形成のメカニズムについて(※1)、広島大学の「脳・こころ・感性科学研究センター」と共同研究プロジェクトを推進していますが、同じ作品を視聴しても、過去の体験が影響した内受容感覚や長期記憶の影響が情動変容に強く関わっていると考えています。つまり、コンテンツの作り手として、ターゲットとする世代が保有するポジティブな思春期の色鮮やかな体験や身体記憶に留まるような強い衝動などを想起させるトリガーを作品内に上手に埋め込むことで、強い共感や感動、余韻を残すことができるのではないかと。これは、ファンダム形成が重要なIPビジネスを加速させる上でも、極めて重要なキードライバーであるといえるでしょう。

庵野:一方で、今の受け手はタイパやコスパを重視するため、見たことがあるものしか見たくないという傾向があるのではないかと感じます。新しいものを見てびっくりするようなリスクは冒したくない。自分のイメージ通りにストーリーが運ばないと拒絶してしまう。そこで評価の対象となるのが、「伏線回収」といった要素になっているんじゃないでしょうか。

平間:実は、まさにその辺りの研究も進めています。個々の過去体験や映像視聴時に生まれる期待値との「予測誤差」が生じる結果、情動がポジティブに変化した場合はプラス評価に、ネガティブに変化した場合は庵野さんのご指摘のとおり、マイナスの感情が生じると推察されます。結果、予定調和や伏線回収の期待に反し、奇を衒った展開や原作とは異なる展開を嫌う、いわゆる“改悪"の嫌悪傾向が強まっているようです。

庵野:そうした状況を考えると、これから映像作品における多様性はなくなっていき、どんどん画一化されていくのではないかと思うんです。誰もが見たことのあるものを再構成して、“新しいフリ”をした作品がヒットする。でも、そういう世の流れの中にある今、それも仕方のないことだと理解しています。もちろん「抗いたい」という思いもありますが、アニメについても、オリジナル作品をヒットさせるのは簡単ではないんですよね。既存の人気マンガやライトノベルを原作にアニメ化したほうが、ローリスク・ハイリターンですね。

“わかりやすさ”はひとつの勝ち筋

平間:「受け手」が求めている適切な娯楽性の提供はエンタテイメントビジネスの興行性における宿命でもありますよね。庵野さんのマーケッターとしての高い視点・視座やヒットメーカーとしての矜持をとても強く感じました。SNSだけなく、近年ではOTT(Over-the-top media service)の台頭もあり、海外市場や視聴者へのアクセス機会が増していますが、何か意識されていることはありますか?

庵野:映画を制作する上で、海外の市場を特別意識したことはなかったです。海外の文化圏でもヒットするように作るためには、そもそも僕がその国の言葉を理解しないと難しいと思うんですよ。翻訳されたセリフが正しいニュアンスかどうかも自分の感覚では判断できませんし。もし日本から海外に向けてヒットする作品を作るなら、例えば忍者とか侍のような、“海外でウケそうな日本らしさ”をエンタメに落とし込むか、海外ユーザーに合わせて作品自体をカスタマイズしていくか、という方法になるだろうと思います。

平間:異なる言語・文化圏でも広く受け入れられるためには、ローコンテクストで勧善懲悪のような「わかりやすさ」が重要であり、それをテンプレート化することがひとつの勝ち筋である、と。一方で「わかりやすい」と、その場でわかって終わってしまうフロー型の価値提供に留まってしまいますが、抽象度の高い文化や時代に根付いたハイコンテクストな描写など、わかり難くなる要素を入れることで「わかりたい」という欲求を生じ、次の行動喚起を促すことにもつながるということもありますよね。

庵野:その通りです。日本の怪獣映画やホラー映画が多少なりとも海外で当たるのは、ストーリーがシンプルで、“わかりやすいから”なんですよね。それらの作品は、「怖い」「格好良い」「すごい」と、受け手の感情的なところにストレートに打ち込むことができる。もちろん、映画の中には興行性よりも作品性、芸術性を求めて、ヒットはせずとも良いフィルムを目指す作品があってもいい。ただ、「ヒットを狙う」という意味では、シンプルなプロットがいいと思います。

そして、“ヒット”といっても、自分の場合は作品とその製作費によって、その意識にも違いがあります。興行収入2億円で問題ない作品もあれば、40億円入らないと困る作品もある。後者であれば40億円を売り上げるためにはどうしたらいいかを考え、その確率を上げる必要があります。まずは「元を取らないといけない」という、リクープを最優先に考えて作品を作っています。

「シン・」シリーズ開発の真意

平間:近年の庵野さんの監督作品において、アニメや実写映画に“シン・”を冠したシリーズが非常に注目されています。ご自身の過去作品も含めた旧作のリブートとも言えますが、これも一つのテンプレートビジネス成功例であるとお見受けしています。

庵野:実はエヴァ以外の作品の出発点としては、IPホルダーである製作配給会社から「もう一度世間に通用するようなコンテンツとして作り直したい」という依頼を受けて、製作することになった背景があります。今でもシリーズとして継続している作品の場合、原点に近いものを作ることで、「再誕」させたいという目的がありました。いずれも、コンテンツとしての訴求力が落ちていたり、変革が求められたりしている時期だったので、延命措置になればと、引き受けました。

そもそも「シン・」シリーズ制作のモチベーションは、自分が作りたいという欲求よりも、過去に「自分を構成してくれた」作品に対して「恩返し」がしたいという思いだったんです。「シン・」シリーズのうち、エヴァ以外は僕のIPではないので、どんなに貢献しても自分自身に利益はそれほど返ってきません(笑)。それでも、それらの作品を観てもらうことで、自分と同世代の人たちが喜んでくれて、さらに新しい世代の人達に触れてもらう機会を創りたい。それが新たなビジネスに拡がりつながってくれたらいいな、と。

平間:長く人気を誇るIPを再誕させるにあたって、既存ファンを大切にしながらも、新しい観客にも楽しんでもらうために現代版にリブートする上で、どのようなポイントを重視されたのでしょう?

庵野:必要とされていたのは、「原作へのリスペクト」だと思います。まったく違うものにしてしまうのであれば、そのタイトルにする必要がなくなってしまいます。ですから、そのタイトルが好きな人たちになるべく失礼がないように、といった気遣いをしていました。

それでも、どうしても気にいる人と気に入らない人には分かれてしまうことは仕方がありません。作品の受け取り方は、お客さんが100人いたら100通りなので、全員にヒットする作品というのはまず難しい。ですから、新しい人たちにも楽しんでもらいたかったのは確かですが、それは“なるべく多くの方に”という気持ちでした。

「俺のラーメンが好きな客だけ来ればいい」もよし

平間:興行性という縛りがあるためヒットを的確に狙うことは必然です。一方で過度なテンプレート依存やデジタル化による演出や作画の均一化、過度な視聴データ分析などによって作風のコモディティ化が懸念されます。日本は世界で一番、コンビニエンスストアが多い国です。コンビニのように、コンテンツ視聴もまた、いつでもどこでも、かつ安価に可能になりました。しかし、そこには既視感、予定調和ばかりの大量消費時代に突入し、カジュアルなコンテンツだらけになってしまうのではないか、という危機感はありませんか?

庵野:ラーメンに例えて話をしましょう。自分がとんこつ味が好きだからといって、「醤油味しか食べたくない」という人に、とんこつ味のラーメンを出してもダメですし、そもそも店頭で「とんこつ味」を掲げていたら、その人は食べに来ないでしょう。でも、「とんこつ醤油」にすれば、食べに来てくれるかもしれない。それを踏まえて、とんこつ味のラーメンを食べてくれる人がどれほどいるのか——?そんなふうに商売の規模を考えることがマーケティングであり、それに合わせて作り手もラーメンの味を変える必要がある時代だと思います。

でも、「俺のラーメンが好きな客だけ食べてくれればいい」という作り手もいないと、ダメですよね。

平間:私自身、まさに中二の頃に出会った庵野さん作品のテーマ性や心理描写などにも深く影響を受けたひとりですが、やはり、今後も庵野さんが携わる作品にはエポックメイキングも期待してしまいます。ご自身の未来像としては、作品性、テーマやメッセージ性をより高めたい想いなどがおありでしょうか?

庵野:自分が作りたい作品があって撮るのか、誰かから依頼されて撮るのか……基本は半々というイメージです。まだ体力があるうちに作りたいものがあれば作りたい、という感じですが、たとえ依頼をいただけたとしても、やはり自分が納得していないものをお客さんには出せませんからね。

これからのエンタメ業界展望

平間:庵野さんは制作プロダクションの経営者としての顔もお持ちですが、次代の作り手、特に今、日本が期待されているアニメ業界の環境や意識変化についてもお話をうかがえたらと思います。

庵野:労働環境については「アニメ業界はブラック」とも言われますが、最近は1本あたりの制作費も上がってきているので、かなり改善されています。ただ、億単位の制作費が出る作品もあれば、シリーズ1本で1,800万円くらいの制作費の作品もあって、この辺りは業界構造として、現場への利益還元の構築やタックスクレジット等の税制優遇など、産業自体の改善余地があると考えています。

僕は昔からずっと、アニメの制作者を志す若者に対しては「しんどいから辞めた方がいい」と言っているんです。制作環境は本当に厳しいので、僕にそう言われて辞めるくらいだったら来ないほうが本人のためにいい、とも思って言ったりしてます。

平間:いつの時代も作品創りを支えるのは、作り手の想いですしね。

近年、外資の大規模スタジオ設立が注目されているほか、DXによる業務効率化や生成AIの登場などアニメーションやCG技術も進化しています。こうした制作プロセスや表現手法の変遷などについては庵野さんはどうお感じになっていらっしゃいますか?

庵野:CGアニメが台頭した頃も手描きにこだわる人はたくさんいましたが、少なくとも日本以外ではすでに、CGが主流になっていますよね。今後AIもかなり活用されるようになると思います。ただ、結局はツールでしかないので、多くのお客さんにとって、CGだろうが、手描きだろうが“アニメーション”として表現されたら受け取る側にとっては同じものです。

海外の有名スタジオが手がける「CGアニメ」が席巻していますが、日本の最近のアニメも、撮影処理やコンポジットの進化によって画面の情報量が洪水のように溢れています。
先ほど話した「中二時代の影響」を踏まえても、それに慣れた最近の子どもたちからすれば、「手描き」によるアニメは古典としての魅力はともかくとして、やっぱり物足りなく感じるはずですし、もはや「手描き」にこだわった日本のアニメ作品の絵にはあまり興味が湧かないのではないでしょうか。

平間:庵野さんは「特撮」などのクラフトマンシップも大切にされていらっしゃると思いますが、プロダクション経営者の視点としは、やはり次世代の受け手に合わせて、デジタル化を加速させた作風へとシフトは受容されるのでしょうか?

庵野:そうした現状を理解しながらも、やはり昔の名作アニメの作風や表現が好きで表現したい、という作り手とファンがいます。今はまだ、“名作アニメ風”の作品と“人気原作で今風に仕上げた”作品、どちらのニーズもある段階です。ただ、ビジネス全体として見れば、今後前者の作品は減っていくんじゃないかと思っていますが、結局はそこも「作り手」の想い次第だと考えています。

平間:必ずしも見通しが明るいとは言えない現状がありますが、それでも「作り手」としては、地に足をつけてやりたいことをやっていくことが大事であり、未来は今の連続の先にあることなんだ、という深いメッセージ、業界人への熱いエールと受け取りました。

今回、庵野さんとの対話を通じ、長きにわたりエンタテイメントビジネス最前線で作り手としてご活躍されたご自身の経験から導き出されたある種の「割り切り」、そして「抗うこと」と「受け入れること」に対する非常に示唆に富んだリアリティのある対話ができたと感じています。ぜひ今後、感性科学分野などでも日本らしいアニメや映画の進化に向けてご一緒できればと思います。

本日は貴重なお話をありがとうございました。



庵野秀明(あんの・ひであき)
監督、プロデューサー、カラー 代表取締役。1960年、山口県生まれ。学生時代から自主制作映画を手掛け、その後TVアニメ『超時空要塞マクロス』(1982年)、劇場用アニメ『風の谷のナウシカ』(1984年)等に原画マンとして参加。1988年、OVA『トップをねらえ!』でアニメ監督デビュー。1995年にTVアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』を手掛け、1997年の『新世紀エヴァンゲリオン劇場版』とともに社会現象を巻き起こす。1998年、『ラブ&ポップ』で実写映画を初監督。2006年、株式会社カラーを設立し、代表取締役に就任。自社製作による『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズ(2007年~)では、原作、脚本、総監督、エグゼクティブ・プロデューサーを担当している。実写映画『シン・ゴジラ』(2016年)では脚本・総監督を務めた。2021年3月、『シン・エヴァンゲリオン劇場版』を公開、興行収入102.8億円をマーク。2022年4月、「紫綬褒章」を受章。2022年5月、企画・脚本を務めた実写映画『シン・ウルトラマン』公開。2023年3月、脚本・監督を務めた実写映画『シン・仮面ライダー』公開。

平間和宏(ひらま・かずひろ)
PwCコンサルティング ディレクター/大手広告会社、デジタルマーケティング会社の取締役などを経て、現職。インターネット黎明期から、外資デジタルプラットフォーマーやコンテンツホルダーのビジネスグロースを伴走支援するプロデューサー職などを歴任、自身でもゲームや映像コンテンツの製作プロデュース経験もある。その後、ソリューションディレクターとして、エンタテイメント、自動車、旅行、ファッション、消費財メーカーなどのビジネスアイディエーション、GTM戦略策定および実行支援、DXコンサルティング、海外での新規事業立上げなど、多様なプロジェクトのリード経験を有する。

また、激変するメディア・コンテンツビジネス環境下において、持続成長可能で健全な業界発展を目指すために、さまざまなゲストとの対話を通じてインサイトを届けるメディア「エンタテイメント&メディアダイアログ」発行人でもある。

【エンタテイメント&メディアダイアログ】
https://www.pwc.com/jp/ja/knowledge/column/entertainment-media-dialog.html


※1PwCコンサルティングと国立大学法人広島大学 脳・こころ・感性科学研究センター 「コンテンツ視聴時における情動変容と余韻形成メカニズムの解明と定量化系構築」に関する共同研究
https://www.pwc.com/jp/ja/press-room/entertainment-eeg231031.html

Promoted by PwCコンサルティング合同会社 / test by Michi Sugawara / photographs by Yutaro Yamaguchi / edited by Miki Chigira

ForbesBrandVoice