バイオ

2024.03.10 16:00

「記憶」に深く関わるニューロン発見、脳の治療や書き換えに繋がる可能性

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クンツ博士らは、記憶課題に参加する被験者をモニタリングすることによって、この共活性化を明らかにした。参加者は仮想環境で8つの物体とその位置を覚えるように求められた。最初の記憶作業中に、研究者らは内側側頭葉で有意な局所活動を観察した。
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その後、被験者に物体とその場所を思い出す課題を与えたところ、内側側頭葉の同じニューロンが脳波の海馬の活動と同時に発火した。

さらに研究者らは、参加者が回想を繰り返すにつれて、そのニューロンや海馬活動の活動とともに記憶能力が向上することを指摘した。これは、特定の記憶に対する慣れとともに、神経活動が強化することを示唆している。

再生医療に関しては、この研究は多くの異なる方向に私たちを導くことができる。まず第1に、この研究は、記憶喪失をもたらす神経変性疾患や外傷への理解を深めることにつながるだろう。加齢にともなう記憶障害は、高齢の米国人の約40%に影響を与えており、その多くはアルツハイマー病などの疾患に進行する。ニューロンを標的とした刺激により、おそらく一部の記憶喪失は予防したり、回復させたりすることもできるかもしれない。
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第2に「脳=機械インターフェース」の観点から、この研究はより高度な神経補綴物(神経系の入力または出力を補完するように設計された医療機器)の開発につながる可能性があり、記憶障害のある人に治療効果をもたらす可能性がある。

3つ目は、おそらくこの3つの中で最もSF的なものだが、人工的な記憶の開発や記憶の改変が考えられる。もし個人が厄介な記憶を忘れたいと思えば、その重荷から解放されるだろうし、誰かが新しい経験をしたいと思えば、人工的な記憶を事実上追体験できるかもしれない。かつては不可能だと思われていたこれらのアイデアも、日に日に実現可能性が高まっている。

この分野のさらなる研究を非常に楽しみにしている。なぜなら、それが再生医療と私たちが知る人間の経験に大きな影響を与える可能性があるからだ。

forbes.com 原文

翻訳=酒匂寛

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