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2024.03.25

タンパク質を見れば将来の疾病リスクがわかる ヘルスケアは「血液ビッグデータドリブン」の時代

NECグループのフォーネスライフ社は、個々人の体内に病気が生まれる前に、そのリスクを読み解く検査「フォーネスビジュアス」を提供している。病気になる前に、病気になる確率を知り、対策することが可能になるという夢の検査の仕組みや意義、未来展望を聞いた。


「ビッグデータを使ってイノベーションを起こす」と聞くと、業務の前提あるいはプロセスを劇的に変革することにより、かつてない領域へと事業を押し上げていく様子が想像されるだろうか。

NECグループのフォーネスライフ社が起こしたイノベーションが押し上げるのは、単なる事業ではない。「あなたの命」と「人生という一大事業」である。

血液中のタンパク質で病気の発症リスクを予測

人間の体には、約20,000種類ものタンパク質が存在するという。私たちの体の成分としてもっとも多いのは水だが、これに次ぐ主要成分のひとつがタンパク質だ。フォーネスライフ社は、このタンパク質に着目した。

「血液中には実にさまざまな機能をもったタンパク質が私たちの体のなかで働いています。偏った生活習慣を続けると、それら血中タンパク質のバランスが乱れてゆきますし、生体機能の異常につながります。すなわち、体のなかに病気が生まれたり、老化が促進されたりするのです」

フォーネスライフ社でCTO(Chief Technology Officer)を務める和賀巌は、この血中タンパク質の個々の量とバランスを読み解くことで病気を未然に防げると考えたのだ。

「人間の体内を流れている血液には非常に多くの生体情報が含まれています。私たちは、この血液中の約7,000種類のタンパク質を一度に測定できる技術を活用して病気の発症リスクを予測するサービス『フォーネスビジュアス(*1)』を提供しています」

和賀 巌 NECソリューションイノベータのシニアフェロー、フォーネスライフ CTO、東北大学産学連携機構客員教授

和賀 巌 NECソリューションイノベータのシニアフェロー、フォーネスライフ CTO、東北大学産学連携機構客員教授

SomaLogic社の測定技術 × NECグループの解析技術

この新しいサービスは、どのような経緯で開発が進んだのだろうか——。時計の針は、2006年にまで遡る。当時、研究センターの部長としてシーズを探索していた和賀は、人工のDNA分子「アプタマー(=特定のタンパク質に結合できる人工核酸)」に大きな可能性を感じ米国コロラド州のボルダーに本拠を置くSomaLogic社の門を叩いた。

「SomaLogic社のファウンダーであるラリー・ゴールド博士は、アプタマーの発明者であり、アプタマーを使ったタンパク質測定の世界的権威です。『情報解析技術を用いてアプタマーを取得する研究を進めてみたい』という熱い想いを伝えるために私は渡米しました。そんな自分を快く迎え入れてくれたゴールド博士と夕食が終わるまで意見を交わしました。ゴールド博士は、その夜、ご自宅で私たちの活動を、いろいろと考えて下さったようで、一通の電子メールが午前4時頃に先生から発信されていました。そこには、食事のときの議事録とともに、『アプタマーを使って血中タンパク質の測定が可能となれば、病気の発症リスクが予測できる。共同で事業を進めることを提案する』と書かれていました」

その日のメールに記載された話が、「フォーネスビジュアス」が生まれる起点となった。

「タンパク質には、それぞれに固有の構造があります。すべての血中タンパク質に特異的なアプタマー群を開発できれば、その人の健康状態の量的な把握ができます。この技術を有しているのがSomaLogic社なのです。私がはじめてゴールド博士と会った日、彼が生み出していた血中タンパク質のアプタマーは百種類以下だけでした。しかし、現在では約11,000種類をそろえるまで技術が発展しています」

「フォーネスビジュアス」は、血中に存在するタンパク質の種類を見分けるのと同時に、それらを定量し構成比を明らかにする。そうしたデータから、現在の体の状況を把握して将来の疾病リスクを予測するという。

「当時は、数種類の「血中タンパク質」が疾患に関係することが判明していました。しかしながらSomaLogic社が開発した測定技術によって、従来の質量分析技術(タンパク質の断片を定量する方法)では測定が難しかった微量なタンパク質まで再現性高く測定できるようになり、「疾病リスク」の研究が、大きく進みました。たとえば、肺がんがまだ体に現れる前に、その人の近い将来の発症リスクを提供することが可能になってきています」

現在でも、この技術が使えるのは、世界で唯一、技術を開発してきたSomaLogic社だけである。この技術のポテンシャルに非常に早期の段階で気付いたNECグループは、2006年に共同研究を開始し、2010年にはSomaLogic社への出資も行っている。さらに、2011年からは、日本のIT企業体では唯一NECグループらしさの発露として、血液ビッグデータの事業化に向けて研究や解析、新規事業の構想設計にも本腰を入れはじめた。

「例えば、喫煙経験のある、まだ肺がんを発症していない健康なたくさんの人から血液サンプルを入手して、その一人ひとりの血液検体中の約7,000種類のタンパク質を測定し、ビッグデータを作成していきます。ここで、採血後5年以内に肺がんに罹患した一部の人々のルールの共通性を見出しす為に、統計的な解析を進めます。次に、この5年以内に肺がんになる疾病リスク予測が、別の集団から生まれたビッグデータでも、成り立つことを確認します。さらに日本人の大量の検体でも、このルールが成り立つか確認できて始めて、国内でのサービス提供につながりました 」

今、「ビッグデータをいかに作成し、解析できるか」が、あらゆるビジネスにおいて勝負の分かれ目になっている。NECグループの研究者も参加し、2016年にはじめて発表された循環器疾患の予測論文(*2)は、SomaLogic社の測定技術が「命を救うサービス」として社会実装されるためのブレークスルーとなった。SomaLogic社の測定技術とNECグループ研究者の解析技術が見事に交わり、血液ビッグデータの解析が、世界で認められたことによって、現在の「フォーネスビジュアス」が2021年7月にスタートできたのだ。

可視化された「命の声」は、やがて「歓喜の声」に変わる

あらゆる出来事の裏には数多くの因果関係が重なっていて、その素地が十分に整ったときに現実化する。各種の成功あるいは失敗しかり、病気もしかり——。人生の一大イベントは、因果関係の積み重ねによって発生する。

「循環器系疾患、認知症、いくつかのがんなど、現代の病の8割が欧米型のライフスタイルによって引き起こされています(*3)。たとえば、南アフリカで健康な生活を送っていた男女20名が、アメリカの平均的な都市の生活を2週間経験したところ、血液検査で大腸がんの発症リスクが増大し、全身の老化が確認されたというピッツバーグ大学の研究もあります(*4)。人間は習慣の生き物です。精製糖質や加工食品の摂取といった食事に関する習慣はもちろん、ブルーライトのように人工的な光を夜に浴びること、長時間にわたって椅子に座り続けることなど、さまざまな習慣が病気につながっていきます。私たち現代人は、生活習慣を見直すことによって病気が防げると考える『ライフスタイル・メディスン』に着目する必要があるのです」

そもそもヘルスケアは自分との対話であり、自分へのいたわりである。体の変調に気づいてから動くのではなく、変調する前の声にならない声=「命の声」に耳を澄ますことができるなら——。その命の声の訴えを素直に受け入れ(=対話し)、訴えのもとになった生活習慣を改善する(=いたわる)ことができるなら——。そうした「対話といたわり」が単なる思い込みではなく、データドリブンで遂行できるのが「フォーネスビジュアス」というサービスだ。

「このサービスによって可視化されるのは、『4つの疾病リスク』と『7つの現在の体の状態』です。『4つの疾病リスク』に挙げられるのは、認知症の20年以内/5年以内(*5)の発症リスク、心筋梗塞・脳卒中の4年以内の発症リスク、肺がんの5年以内の発症リスク、慢性心不全の4年以内の発症リスクです。『7つの現在の体の状態』には、耐糖能、肝臓脂肪、アルコールの影響、たばこの影響、心肺持久力、内臓脂肪、安静時代謝量が挙げられます。ここまでが、フォーネスビジュアスのデータドリブンなパートです。しかし、ヒューマンドリブンをプラスしているのが、フォーネスビジュアスの強みと言えるでしょう。ここで言うヒューマンとは、コンシェルジュのことです」

「フォーネスビジュアス」は、単にリスクを可視化するだけでは終わらない。コンシェルジュ(保健師などの専門スタッフ)が検査結果をもとに、食事や運動などの生活習慣改善に関する個別相談(オンライン形式)に応じてくれる。データドリブンな健康指導を実施しながら、生活習慣の改善に伴走してくれるのが「フォーネスビジュアス」のコンシェルジュだ。

「サービスの開始以来、『コンシェルジュが伴走してくれたおかげで生活習慣改善の努力を続けることができた』『そうした努力の結果として疾病リスクの低下につながり、まさに命を救われた』といった顧客の声が集まり続けています」

「フォーネスビジュアス」で可視化された「命の声」は、やがて「歓喜の声」に変わっていく。

この人生において、もっとも重要な資本とは

未来のほうが今より少しでも幸福感が上昇しているように、齢を重ねるにつれて自身のウェルビーイングが拡大・充実していくように、今できることを一生懸命に考えて行動する。そうした意識で今日を生きているForbes読者に対して、本稿の最後にひとつの問いを投げかけたい。

あなたが懸命に生きているこの人生において、もっとも重要な資本とは何だろうか。

確かに現金や有価証券や土地なども有用な資本であろう。しかしそれと同等がそれ以上に「あなたの体そのもの」「あなたに残されている時間」も重要な資本である。「健康な体」と「ウェルビーイングを体感できる時間」こそが、あなたがなによりも大切にすべき資本だと言える。

「フォーネスビジュアス」は、その「体」と「時間」について他では得られない、真に有益な情報を知らせてくれる。

データドリブン&ヒューマンドリブンによってもたらされる真に有益な情報が、あなたの人生をポジティブに変えてくれる時代が訪れているのだ。

「フォーネスビジュアス」があるポジティブな未来

「今、自治体、大学との共創活動も全国に拡がっています。各地域ごとに特徴を生かして、その土地の人々の血液ビッグデータに、その地域の大学の先生方のお力とアイデアや地域の特徴などの知見を組み込んでいけば、その地域ならではの新たな健康産業あるいは健康文化を生み出すことも可能になるでしょう。現在においてはリスクを可視化できる疾病は4種ですが、将来的には50種以上とすることを目指しています。さらには、ウェルビーイングを可視化し、その使い方も視野に入れています。タンパク質の測定には、まだまだ大きな可能性が眠っているのです」



NECソリューションイノベータ
▼フォーネスビジュアス特設サイトはこちら




わが いわお◎1961年、宮城県仙台市生まれ。フォーネスライフ CTO/東北大学産学連携機構客員教授。1985年、JT日本たばこ産業にて医薬事業部の設立に関わる。2004年から、NECソフトVALWAYテクノロジーセンター勤務、センター長に就任後もNECグループの事業開発と研究開発に従事。現在はNECソリューションイノベータのシニアフェロー、フォーネスライフのCTO、東北大学大学院医学系研究科客員教授を兼任。国立研究開発法人科学技術振興機構JSTで未来社会創造事業の運営統括も務めるなど、さまざまな立場から科学技術の振興に幅広く貢献している。


(*1)「フォーネスビジュアス」は、健康保険の対象ではありません。医療機関の自由診療として実施されます。
(*2)Peter Ganz et al. JAMA.2016;315(23):2532-2541
(*3)David L Katz et al. Am J Health Promot. 2018;32(6):1452-1458
(*4)Stephen J. D. O’Keefe et al. Nature Communications. 2015; 6:6342
(*5)5年以内の認知症発症リスクは65歳以上の方のみ提示。

Promoted by NECソリューションイノベータ / text by Kiyoto Kuniryo / edited by Akio Takashiro / photographs by Shuichi Oda

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