ソーシャルメディアに投稿された動画で、ナワルナヤはロシア国民に投票最終日の17日にプーチンに集団抗議するよう呼びかけた。同日正午に一斉に投票所に行き、プーチンに票を投じる以外の行動を取るよう促した。
ロイター通信の翻訳によると、ナワルナヤは「選ぶのはあなたたちだ」と語り、他の候補者に投票したり「ナワリヌイ」と大きく書いて投票を無効にしたり、あるいは投票所で列に並んでから引き返して帰宅することなどを提案。「投票日を利用して、多数いる私たちの存在を示す必要がある」とも訴えた。
ナワルナヤが呼びかけた行動は、逮捕されたり当局から報復を受けたりするリスクを伴わずに投票所に過剰な負荷をかけて抗議を示す方法として、ナワルナヤの亡き夫が人里離れた北極圏の刑務所で亡くなる前に勧めていたもの。
ロシアで最も著名な野党指導者だったナワリヌイは、ロシア大統領府やプーチン、国内の支配層の腐敗を激しく批判してきた。反対意見が厳しく統制され、異を唱えることは往々にして危険であるロシアで、ナワリヌイは明らかに弾圧の対象だった。
ナワリヌイは先月16日、服役中に47歳で亡くなった。ナワリヌイに着せられた罪については、支持者たちは捏造だと断じていた。ナワリヌイの追悼集会で数百人が拘束され、警察の厳しい取り締まりが懸念される中、1日に営まれた葬儀には、全国から数千人が参列した。
ナワルナヤは、プーチンが夫を殺害し、死因を隠蔽(いんぺい)したと公然と非難。ロシア大統領府はこれを激しく否定し、ナワリヌイの死亡診断書には自然死と記載されている。ナワルナヤは、亡き夫の遺志を継いで反プーチン活動を継続することを誓い、夫の死後にジョー・バイデン米大統領に面会し、欧州議会で演説した。ナワルナヤは2020年の夫の毒殺未遂事件を受けてロシアを脱出して以降、亡命生活を送っている。
(forbes.com 原文)