大谷翔平は「スポーツ界のトヨタ」
コロナ禍が過ぎてから、日本のインバウンド消費が絶好調と伝えられている。宮田氏が住むサンフランシスコでは、一部地域で治安の悪化が進んでいるとも言わていれる。宮田氏は「安くてうまい、安全」な旅ができる日本の魅力に多くの外国人が注目している今が、日本人が持つまじめさ、勤勉さをスポーツやエンターテインメントの分野でも世界に向けてプッシュできる好機と受けとめているようだ。宮田氏は大谷翔平選手がMLBで活躍していることが、いま日本人アスリートの「底力」に関心を引き寄せることにもつながっていると語る。
「私は大谷選手は『日本人のエンジニアリングによる産物』だと考えます。北海道日本ハムファイターズが大谷選手を二刀流の野球選手として丁寧に育てて、彼の独自性を開花させた。精密かつダイナミックなプレイ、トレーニングにも勤勉に向き合う姿勢など大谷選手の根底にある『日本人の底力』に海外から関心の目が注がれています。私は大谷選手のパフォーマンスを、トヨタ自動車のイメージと重ね合わせて見ることがあります。日本のトップ企業が製造業の分野で培ってきたマーケティングを、スポーツやエンターテインメントの分野に最適化すれば、アスリートを取り巻くビジネスもまた世界をターゲットに勝ち抜けると確信しています」
日本人には独創的なアイデアを生む力と、ひたむきに最高のものやサービスを探求することで獲得してきた高度なエンジニアリングのノウハウがある。ところが一方でグローバル展開が上手くなかった。宮田氏は「ここにさまざまな商機が眠っている」と発破を掛ける。宮田氏が注目する海外の事例に負けない、日本独自のスポーツとエンターテインメントの画期的なビジネスが誕生することを期待したい。
連載:デジタル・トレンド・ハンズオン
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