未来のコート─連載 Forbes JAPAN CIRCLE 30

男の服のなかでも体全体を覆うコートは、デザイナーが未来を投影するキャンバスであり、新たな素材やフォルムで日進月歩の進化を見せる。そんなコートは、日々劇的変貌を遂げる未来都市、東京の風景へ溶け込む。


伝統のアイコンで紡ぐ次代のコートスタイル

コート1105500円、シャツ147400円、パンツ205700円、シューズ178200円、サングラス127600円、バッグ 参考商品〈すべてルイ・ヴィトン/ルイ・ヴィトン クライアントサービスTel:0120-00-1854〉

コート1105500円、シャツ147400円、パンツ205700円、シューズ178200円、サングラス127600円、バッグ 参考商品〈すべてルイ・ヴィトン/ルイ・ヴィトン クライアントサービス Tel:0120-00-1854〉

ルイ・ヴィトンの新メンズ クリエイティブ・ディレクターに就任したファレル・ウィリアムスが手がける、初のコレクションとなる2024年春夏メンズコレクション。そのランウェイにも登場したロングコートは、伝統のアイコン柄「ダミエ」を大胆にアレンジしたダミエ・ポップ モチーフを織り込んだデニムジャカードを使用。レッドをベースとした市松模様がグラフィカルな近未来的存在感を放つ。背にはスタッズで「LV Lovers」ロゴをプラス。

服の常識を再定義する洗練のクリエイション

コート478500円、セーター341000円、パンツ145200円、シューズ161700円、バッグ335500円[すべて予定価格]〈すべてプラダ/プラダ クライアントサービス Tel:0120-45-1913〉

コート478500円、セーター341000円、パンツ145200円、シューズ161700円、バッグ335500円[すべて予定価格]〈すべてプラダ/プラダ クライアントサービス Tel:0120-45-1913〉

「FRUID FORM」をテーマに、既存の服の構造やデザインを流動的に変容させ、再構築する、プラダの2024年春夏メンズコレクション。その起点となっているのがシャツであり、発色の美しいラベンダーカラーが軽やかで春らしいコートも、従来はシャツの素材であるコットンポプリンやマザー・オブ・パール製のボタンを使用。ベージュのシャツ襟には差し込み式の襟芯が設けられており、シャープで小ぶりな襟とは対象的なゆったりとしたボディとのアンバランスさが新鮮だ。

対極的要素の融合が新たなスタイルを生む

コート141900円、シャツ39600円、パンツ42900円、バッグ39600円〈すべてコム デ ギャルソン・オム/すべてコム デ ギャルソンTel:03-3486-7611〉

コート141900円、シャツ39600円、パンツ42900円、バッグ39600円〈すべてコム デ ギャルソン・オム/すべてコム デ ギャルソン Tel:03-3486-7611〉

しなやかでドレープと光沢が美しい、チャコールグレーのウールモヘアギャバジンで仕立てたコートは、一見トラディショナルなステンカラーコートのよう。だが、タックを入れた立体的な袖や、フィッシュテールと呼ばれる鋭角にカットされたドローコード入りの裾など、アメリカ陸軍の装備品であるM-65 パーカの要素がハイブリッドされている。クラシックとミリタリー、エレガンスとラギッドという、対極的ながらも男の服装に必須のテイストが溶け合う、これまでにない一着に仕上がった。

優美なコートで楽しむ新たなるエレガンス

コート770000円、スカーフ96800円、パンツ195800円、シューズ151800円〈すべてジョルジオ アルマーニ/ジョルジオ アルマーニ ジャパンTel:03-6274-7070〉

コート770000円、スカーフ96800円、パンツ195800円、シューズ151800円〈すべてジョルジオ アルマーニ/ジョルジオ アルマーニ ジャパン Tel:03-6274-7070〉

約半世紀にもわたり、モードの第一線から未来の紳士像を世に問い続けてきたジョルジオ アルマーニ。新作のトレンチコートは柔軟でとろみのあるネイビーのキュプラレーヨンに、カネット加工という製法で立体的なストライプを施した生地を使用。ボリューム感のあるシルエットと共にストライプがドレープを引き立て、優美で軽やかな佇まいを演出する。ボタンを開け、スカーフとともに風になびかせる、あるいはベルトを閉めてドレープを強調するなど、多彩な着こなしが楽しめるはずだ。
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direction by Akira Shimada|photographs by Akira Maeda|styling by Makoto Yoshino|hair & make-up by Hanjee (SIGNO)|model by Daisuke|text by Yasuhiro Takeishi , Tetsuo Shinoda

この記事は 「Forbes JAPAN 2024年4月号」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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