「安全性」へのこだわり
OpenAIを退社した7人の研究者が2021年に設立したアンソロピックは、AIの安全性に深くフォーカスすることで、この分野の他の企業と一線を画してきた。業界関係者の中には、このことが同社の成長を鈍らせているのではないかと考える者もいる。同社の以前のモデルの2の評価は、人間の評価者によるクラウドソーシングのプラットフォームにおいて、その前のモデルの1を下回った。アモデイは、2が前モデルよりも安全である一方、その代償として、安全性を重視するあまり、慎重すぎる判断によってプロンプトの拒否が多くなったことを認めた。
3は、そのような拒否を出さないという点で、以前のモデルよりもはるかに優れているとアンソロピックは主張している。無害な内容のプロンプトが拒否される確率は、2.1では25%であったのに対し、3においては約10%という。
「複雑な境界線を正しい方法で引くのは本当に難しいことだが、私たちは常により良いものを目指している」とアモディは述べている。
企業顧客を重視する戦略
Inflection(インフレクション)やCharacter.AI(キャラクターAI)、さらにはOpenAIのような企業が消費者向けのユースケースに踏み込んでいる一方で、アンソロピックは企業顧客に焦点を当てており、3は、ビジネスでの利用をより念頭に置いて作られたとアモデイは語った。の顧客には、Gitlab(ギットハブ)やNotion(ノーション)、Quora(クオーラ)などに加えアンソロピックの出資元でもあるセールスフォースや金融大手のブリッジウォーター、通信大手のSKテレコム、ダナファーバーがん研究所などが含まれる。
フォーブスは1月の記事で、アンソロピックが評価額184億ドルで7億5000万ドルを調達しようとしていると報じていた。同社は、今後数カ月のうちにコード解釈や検索機能、ソース引用などの機能をモデルに追加する予定という。
「当社は、モデルをスケールアップし、よりインテリジェントにするだけでなく、より小さく、より安価なモデルをより賢く、より効率的にする努力を続けるつもりだ。年内に大小さまざまなアップデートを実施する」とアモディは語った。
(forbes.com 原文)