DoorDashとLyft株が上昇、ウーバーに対抗し「合弁事業」の可能性で

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米フードデリバリー大手DoorDash(ドアダッシュ)と配車サービスLyft(リフト)の株価は3月4日、アナリストが両社の強みと共通の敵であるウーバーに対抗するための合弁事業の立ち上げの可能性を指摘し、目標株価を引き上げたことを受けて上昇した。

ドアダッシュの株価は4%上昇して132ドルをつけ、2022年1月以来の高値で4日の取引を終えた。リフトの株価も4%上昇して17ドルをつけ、先月記録した1年ぶりの高値の19ドルまで約2ドルに迫った。

この上昇は、RBCキャピタルマーケッツのアナリストのブラッド・エリクソンとローガン・ライヒが、ドアダッシュとリフトの両銘柄の評価を「中立」から「買い」に格上げし、ドアダッシュの目標株価を175ドル(4日の終値から32%上昇)に、リフトを23ドル(同35%上昇)に引き上げたことを受けたものだ。

エリクソンとライヒによると、この2銘柄はそれぞれ単独では「割安」だが、ドアダッシュとリフトが共通の競争相手であるウーバーに対抗して団結することが「非常に理にかなう」もので、双方の銘柄に「大きな価値」を生み出す可能性があるという。ウーバーは米国の配車サービス分野でトップシェアの企業で、ウーバーイーツは米国のフードデリバリー分野のリーダーであるドアダッシュの最大の競合だ。

RBCのアナリストは、リフトとドアダッシュが現状の月額9.99ドルのロイヤリティサービスを統合し、同じ月額料金で配車とフードデリバリーの特典を提供するウーバーの「Uber One」に対抗するというシナリオを提示した。

エリクソンとライヒは、ドアダッシュの国際的な赤字の減少と持続的な高成長が同社の株の追い風になると指摘し、リフトについても米国の配車サービスにおける「2社の安定的な独占」の中でウーバーに打ち負かされない明らかな回復力が株価の追い風だと指摘した。

4日の市場でハイテク株の多いナスダックは横ばいだったが、ウーバーの株価は約0.5%上昇した。ウーバーは、依然としてリフトやドアダッシュよりもはるかに大きな企業であり、時価総額は1690億ドル(約25兆4000億円)で、ドアダッシュの540億ドルやリフトの70億ドルを凌駕している。また、直近四半期の売上高はウーバーが99億ドルだったのに対し、ドアダッシュは23億ドル、リフトは12億ドルだった。

さらに、純利益はウーバーが14億ドルの黒字だったのに対し、ドアダッシュは1億5400万ドルの損失、リフトは2600万ドルの損失だった。ファクトセットがまとめたデータによると、アナリストはドアダッシュが2024年に初の黒字を計上すると予測しているが、リフトの黒字化は2026年以降になると予測している。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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