アップルの株価は、昨年11月上旬以来の安値となる1株あたり175ドル弱まで下落。今年1月2日以来の下げ幅となった。
欧州委員会はアップルが他の音楽配信アプリに対し、自社のアプリストア以外で安価な音楽配信サービスが利用できるとユーザーに知らせるのを制限していたと判断。EU競争法違反にあたるとして18億ユーロ超の制裁金を科した。
アップルがEU競争法違反で制裁金を科されるのはこれが初めて。アップルは「消費者に損害を与えたという信頼に足る証拠が一切見つからなかった」にもかかわらず制裁金を科したとして、欧州委員会の判断を批判した。
欧州委員会によると、アップルは競合する音楽配信アプリの開発元に「制限を課し」、iPhoneユーザーに「より安価な代替となる」音楽配信サービスがあることを案内するのを妨害して、競争を阻害したとされる。アップルの反競争的行為は10年近く続いており、その結果、アプリ内課金に対するアップルの手数料30%を反映すると、ユーザーはより高額な音楽配信サービス利用料を支払わされていたという。
アップルの株価は、ここ数カ月にわたり下落傾向にあり、年初から6%近く下げている。1月2日には、iPhoneの販売不振が株価を押し下げる要因となるとの懸念からバークレイズのアナリストが投資判断を引き下げたことで、4%近い下げ幅となった。
先週もアップル株は下落を続け、約4カ月ぶりの安値で取引を終えた。急成長する人工知能(AI)分野でのアップルの取り組みが疑問視され、投資家がマイクロソフトなど競合他社に目を向けたことが背景にある。アップルは先週、ティム・クック最高経営責任者(CEO)がかつて「すべてのAIプロジェクトの母」と称し、10年前から進めてきた電気自動車(EV)開発プロジェクトを断念すると発表したばかりだった。
(forbes.com 原文)