欧州

2024.03.05 10:30

ウクライナ軍のエイブラムス戦車にまた損失 砲兵支援欠く危険な反撃続ける

米陸軍などの主力戦車M1エイブラムス(Shutterstock.com)

これは、9カ月にわたってほぼ無休で戦い続けてきた第47旅団の疲弊した兵士らにとって危険な任務だ。実際、第47旅団はこの2週間ほどでM1を2両、M2を数両、ABVを2両失っている。これらは第47旅団が保有する最高の車両の5%ほどに当たるかもしれない。車両が火に包まれる前に脱出できた乗員が何人いたのかは不明だ。
advertisement

それでも、第47旅団は被った損害よりも与えた損害のほうが大きい。たとえば、M2が反撃を加え、25mm機関砲で何十人ものロシア軍歩兵を吹き飛ばしている映像もいくつか投稿されている。

ウクライナのシンクタンク、防衛戦略センター(CDS)によれば、3日時点でベルディチは保持されている。「敵はステポベをベルディチに対する攻撃の出発地点として利用しているが、複数の突撃部隊が第47独立機械化旅団によって撃退された」とCDSは同日に報告している。

だが、砲弾不足のために第47旅団が遠距離からでなく近接した戦闘を強いられ、M1やM2、ABVを危険にさらしているのは明らかだ。

第47旅団はどのくらい持ちこたえられるだろうか。欧州連合(EU)やチェコが手配した100万発の砲弾が近くウクライナに届く見通しとなっており、それまでは持つことを望みたい。その後さらに数週間すれば、米国からも再び砲弾を得られ始めるかもしれない。
advertisement

世界の自由な国々のほとんどや、米国の少数の穏健派共和党議員らから圧力が強まるなか、極端な右派のマイク・ジョンソン米下院議長はようやく、3月下旬か4月上旬に新たなウクライナ支援の予算案の採決を容認する意向を示唆している。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

タグ:

連載

Updates:ウクライナ情勢

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事