そんな中、バンク・オブ・アメリカのアナリストが、米国の債務残高が100日ごとに1兆ドル増加することが、ビットコイン価格の高騰を後押しすると警告した。
CNBCは3月1日、バンク・オブ・アメリカのチーフストラテジストのマイケル・ハートネットが、顧客向けメモで「米国の国家債務は100日ごとに1兆ドルずつ増加している」と指摘したことを報じた。「これにより、通貨のディベースメント(価値の毀損)が進み、金(ゴールド)やビットコインの価格が史上最高値を更新してもまったく不思議ではない」とハートネットは述べている。
新たに設立された現物ビットコインETFの中で最も資金流入が多いブラックロックの「IBIT」の運用資産額は早くも100億ドルを突破しており、フィデリティの「FBTC」も1月初旬のデビュー以来、60億ドルを集めている。現物ビットコインETFへの資金流入はここ2週間で急激に加速しており「ビットコインが世界の価値の貯蔵庫としての役割を、ゴールドから奪うかもしれない」という予測を煽っている。
一方、近年急増する米国の国家債務は、米財務省が1月2日に発表したデータで34兆ドルの大台を突破した。投資プラットフォームGrit Capital(グリット・キャピタル)のニュースレターを執筆している元アセット・マネージャーのジュヌヴィエーヴ・ロッホ=デクターは「これは良い結果にはならない」と2日にX(旧ツイッター)に投稿した。
J.P.モルガンのジェイミー・ダイモンCEOは、急増する米国の債務が世界的な「反乱」につながる可能性があると予測し、バンク・オブ・アメリカのブライアン・モニハンCEOは、国の債務の山を「これまでで最も予測可能な危機」と表現している。
米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が2024年後半の金利の引き下げを示唆する中、ヘッジファンドのスカイブリッジ・キャピタル創業者のアンソニー・スカラムーチは先月、ビットコインの価格が4月の半減期の後に「少なくとも17万ドル」まで急騰し、時価総額が3兆3000億ドルに達すると予測した。
一方、ウォーレン・バフェットやジョージ・ソロスと並んで「世界三大投資家」と称されるジム・ロジャーズは2月に「34兆ドルという米国の巨額の債務は、迫り来る不況が『私がこれまでの人生で見た中で最悪のもの』になることを意味する」と警告している。
(forbes.com 原文)