バイドゥが2月28日に発表した第4四半期決算は、売上高が前年同期比6%増の約350億元(約7330億円)となったが、純利益は48%減の26億元に急落した。これを受け、香港市場と米ナスダックに二重上場する同社の株価は、ナスダックで8%下落した後、29日の香港市場で7%以上下落した。
この急落は、一部の優先株の評価額が会計上変更されたことも一因だが、投資家が同社の成長スピードを懸念していることの現れだ。バイドゥの2023年最後の3カ月間の売上高の伸びの6%は、前四半期と同水準ではあるが、第1四半期と第2四半期の10%増と15%増に比べるとはるかに見劣りする。
香港を拠点とするEverbright Securities Internationalのストラテジストのケニー・ウンは、少なくとも2024年の前半については、投資家の熱意が再燃する可能性が低いと述べた。売上高の半分以上をオンライン広告に頼るバイドゥは、景気の低迷にあえぐ中国企業が広告費を減らす中で、需要の低下に直面している。
一方、OpenAIのChatGPTのような生成AIに関するバイドゥの取り組みは、まだ収益を生み出していない。同社は昨年10月、AIモデルErnie(アーニー)の最新版のErnie 4.0を発表し、複雑な数学の問題を解いたり、推論を使って質問に答えたりできる点で、この製品の能力がOpenAIのGPT-4と同程度だと述べていた。
しかし、1億人以上のユーザーを集めているアーニーのチャットボットの収益貢献は、わずかなものにとどまったと、バイドゥの幹部は28日のアナリストコールで語った。一方でCEOのリーは、第4四半期の売上高の上昇は、バイドゥが外部企業の独自のAIモデルの構築を支援し、顧客がより質の高い広告を掲載したためだと説明した。