肥満は死亡、高血圧、2型糖尿病、脳卒中、高コレステロール、複数種類のがん、冠動脈疾患、睡眠時無呼吸症候群、胆嚢疾患およびうつや不安など精神衛生上の問題のリスクを高める。低体重は骨減少症、創傷治癒の遅延、栄養素の欠乏、貧血、不整脈、血管疾患および女性における無月経、妊娠の困難、うつ、骨粗鬆症などのリスクを高くする。
2022年に世界で10億人が肥満だったと本論文は報告している。そのうち8億7900万人が成人、1億5900万人が子どもだ。
低体重の成人の数は、同じ期間に50%以上減少した。女児の低体重は約20%、男児は約33%減少した。エリトリアと東ティモールでは低体重女性の比率が最高で、エチオピアとエリトリアでは低体重男性の比率が最も高く、それぞれの国で成人人口の20%が低体重だった。低体重の女児が最も多かったのがインドとスリランカ、男児が多かったのはインドとニジェールで15%以上の子どもたちが肥満だった。
「肥満抑制に関する世界的な目標を達成を実現するためには、WHOと各国の公衆衛生当局による根拠に基づく政策に支えられた政府とコミュニティの努力が必要です」とWHOのテドロス・アダノム事務局長が声明で語った。「重要なのは民間セクターの協力であり、彼らは自分たちの製品の健康への影響に責任を持たなくてはなりません」
限定的な研究ではあるが、新型コロナウイルスのパンデミックが肥満を悪化させたという学説もある。高所得国を対象にした研究が、パンデミックが肥満のわずかな増加をもたらしたことを発見したのに対し、低・中所得国を対象とした研究では、パンデミック後に食事の質と食糧不足が悪化したことを明らかにした。しかし、Lancetの研究の著者らは「これらの影響が一時的なものなのか恒久的なのか」はわからないとしている。
(forbes.com 原文)