PlayStationの人員削減は「前代未聞」 対象のソニー子会社が異例の遺憾表明

rafapress / Shutterstock.com

ソニーグループ傘下のゲーム事業会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)が27日発表したPlayStation事業での従業員900人の削減については、影響を受けたゲーム開発企業でそれを良しとするところはないだろう。だが、従業員個人がSNSで悲しみやフラストレーションを表明することはあっても、企業自体が公式声明を出すケースはほとんどなかった。

しかし、人員削減の対象となった企業の1つであるInsomniac Games(インソムニアック・ゲームズ)がこのたび、X(旧ツイッター)の公式アカウントで、この件に関する公式声明を出した。同じく影響を受けた主要スタジオにはNaughty Dog(ノーティードッグ)やGuerrilla Games(ゲリラ・ゲームズ)があるが、両社の公式アカウントはそれぞれ2月26日と27日を最後に投稿を行っておらず、人員削減についてはコメントしていない。

インソムニアックは公式声明で、今回の人員削減がいかにひどいものかを、異例の辛辣な言葉を交えながら次のように表現している。

「SIEとPlayStation Studiosの他のいくつかのチームと同様、Insomniac Gamesも昨日の人員削減の影響を受けました。それについての私たちの気持ちを十分に表現する言葉はありません。これは当スタジオにとって、重大かつ前代未聞の出来事です」

「私たちは、影響を受けたすべての人がこの困難な時期を乗り越えられるよう支援することに全力を注いでいます。人材を募集している企業の皆さんには、Insomniacの歴史に重要な貢献をし、今新しい仕事を求めている優秀な人々がいることをお知らせしたいと思います。私たちはこうした人々に非常に感謝しており、その退社が惜しまれます」

他のスタジオはこうした声明を出していないことを考えると、Insomniacによるこのコメントはかなり重要だ。「重大かつ前代未聞」という表現は、ソニーに対する厳しいメッセージのようにも思える。それも当然のことだ。またこの声明は、インソムニアック経営陣の承認なしには出せないような内容だ。数カ月前に同じくソニー傘下のBungie(バンジー)が強いられた人員削減では、企業からの公式声明のほかに、バンジー経営陣に対する大きな怒りがあったが、それと同じことはインソムニアックには起こっていないようだ。
次ページ > 開発費の元を取るヒット作を出しても人員削減の対象に

翻訳・編集=遠藤宗生

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事