もちろんここで生じる疑問は、ソニー傘下の最も成功したスタジオであり、大ヒット作を出したばかりのインソムニアックでさえもが人員削減の対象になるのであれば、ソニー傘下の企業はどこも安心できないのではないかというものだ。
ソニー側の言い分としては、『Spider-Man 2』がいくら大きな売り上げを生み出したとしても、開発予算がそれに見合わないほど肥大化してしまったという主張も考えられる。ハッキングにより流出した内部文書からは、同作の開発費は3億ドル(約450億円)で、当初の予算の3倍だったことが明らかになっている。それでも、ゲーム自体のサイズや長さ、そしてもちろん価格は3倍にはなっていない。つまり、膨れ上がったコストはおそらく持続不可能だということだ。ただ、予算を取り戻すのに必要な販売本数は720万本だったのに対し、実際の販売本数は数カ月で1000万本に達している。そうであれば、インソムニアックが人員削減を強いられた本当の理由は何だったのだろうか?
今回の公式発言に感じられるインソムニアックの怒りには、真っ当な理由がある。ゲーム業界が苦境に陥っているのは明らかだが、ヒット作を連発し、目に見えて成功している企業が人員削減の対象になるのは、さらに悪い状況だ。ゲーム業界には今、亀裂が走っている。
(forbes.com 原文)