北米

2024.03.01

「食事時に値上げか」と米ウェンディーズの変動価格制導入に非難の声多数

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米国のハンバーガーチェーン大手のウェンディーズは2月28日、同社が先日発表した「ダイナミックプライシング(変動価格制)」の導入が、価格の引き上げを目的にしたものではないことを強調した。顧客の需要が高い時に価格を上げ、低い時には下げるダイナミックプライシングは、すでにウーバーやLyftといった配車サービスが導入しているが、レストラン業界では稀で、SNS上ではウェンディーズの試みを非難する声があがった。

ウェンディーズは28日に発表した声明の中で、同社のダイナミックプライシングと新しいデジタルメニューボードに関するニュースは「一部のメディアの報道で、需要が最も高い時に価格を引き上げる意図があると誤解されている」と述べた。

同社は「そのような計画はなく、顧客が最も多く来店する時間帯に値上げをすることはない」と説明し、新たなメニューボードは実際には「ディスカウントの提供をより簡単にするためのものだ」と付け加えた。

ウェンディーズは15日の第4四半期決算の説明資料で、早ければ2025年に新たなデジタルメニューボードを導入し、ダイナミックプライシングを可能にすると述べていたが、その詳細については明らかにしていなかった。

ウェンディーズは、ファストフード業界で他社に先駆けてダイナミックプライシングを導入することになるが、顧客はこのニュースに反発した。SNS上では、多くの人がこの施策に不満を表明し、あるユーザーは「きわめて愚かな取り組みだ」と述べ、またあるユーザーは値上げが実施される時間帯の従業員の時給が割り増しになるかを疑問視した。

民主党のエリザベス・ウォーレン上院議員は、X(旧ツイッター)の投稿で、ウェンディーズのやり方が「単純明快な価格のつり上げ行為」であり、米国の家庭はうんざりしていると述べた。米国の食料品価格は先月、2023年1月との比較で2.6%上昇し、外食の価格は同期間に5.1%の上昇となっていた。昨年11月に行われたイプソスの世論調査では、67%の人が食品価格が最もインフレが進んでいると回答し、ほとんどの回答者が継続的な上昇を懸念していた。

ウェンディーズは、ダイナミックプライシングを発表したのと同じタイミングで、ドライブスルーにおける人工知能(AI)の導入のテストを継続すると述べた。同社は「スピードや正確さ、顧客満足度」の向上を目指し、マクドナルドやパネラブレッド、ポパイズ・ルイジアナ・キッチンに続いて5月にAIドライブスルーのテストを開始した。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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