この分野の専門家によると、入試のためのエッセイで、AIの使用を見破られることにつながる陳腐な単語やありがちなフレーズとしては「タペストリー(tapestry)」や「ビーコン(beacon)」「総合的なカリキュラム(comprehensive curriculum)」「尊敬される教授陣(esteemed faculty)」「活気ある学術コミュニティ(vibrant academic community)」といったものが挙げられるという。
特に「タペストリー」は、今年の入試では大きな黄信号になると、クラウドソーシングサイトのFiverr(ファイバー)で学生からの仕事を請け負う複数のコンサルタントたちが述べている。アイビーリーグの出身で、現在はキャピトル・エディターズという会社を設立して大学の出願書類の編集を請け負うマイクと名乗る男性によると、この単語はここ数カ月で少なくとも20人の彼のクライアントの草稿に繰り返し登場したという(マイクはプライバシー保護のため匿名を要求した)。
「タペストリーという単語が出てきたら、それはChatGPTによって生成された文章と考えていいでしょう」と彼はフォーブスに語った。もちろん、このような言葉が人間から出たものである可能性もあるが、経験を積んだプロの目で、複数のエッセイで同じ言葉が使われているのを見ると、生成AIの使用は簡単に見破ることができると彼は語る。
今期は、ChatGPTやその他の生成AIが爆発的に普及してから初めての本格的な入試シーズンとなるが、教育分野ではこのテクノロジーの使用例が急増しており、学校当局は対応を迫られている。ある教育者は「ゼロ・トレランス(絶対容認しない)」ポリシーでこの技術を撃退しようとしているが、一方で積極的に教育現場に取り入れている教師たちもいる。しかし、入試においてAIをどのように使用できるのかについての一貫性のあるルールはなく、その使用を確実に検出できるツールもないため、多くの学生がChatGPTのようなツールの力を借りている。