プリンストン大学の学生のエドワード・ティアンが2022年に開発したGPTゼロは、公開からわずか5カ月で120万人のユーザーを集め、350万ドル(約47億円)のシード資金を昨年5月に調達したことで注目を集めたが、現在ではAIが入試のエッセイでどのように使われているかについてのハイレベルな分析を学校に提供している。
「ありのままの声」が大事
一方、他の検出ソフトの開発者は、入試にこの技術を使うことに警告を発している。スタンフォード大学でGPTゼロと類似したツールのDetectGPTを開発した博士課程の学生のエリック・ミッチェルは、検出ソフトの研究は意味があることだが、その結果生まれたツールを「高等教育の入試の現場に使うのはまだ早い」と警告している。大学入試は、人生において非常に重要な瞬間であり「誰かのエッセイを誤ってニセモノだと非難することの代償は非常に大きい」と彼は述べている。フォーブスがこの記事のためにコンタクトを取った多くの大学と同様に、ジョージ・ワシントン大学の入試担当者のトールは、AI検出ツールを審査プロセスに導入しているかどうかについては明言を避けた。しかし、彼は、ChatGPTのようなツールを学生が使用しないことを推奨している。
「学生が受験のために提出する書類の大半は、それまでの学生としての行動を記録したもので、過去にさかのぼって変更することは許されない」とトールは話す。「しかし、エッセイだけは、提出の直前まで自分で推敲を重ねてコントロールすることが可能だ。私たちが、受験生が書いた文章を通して彼らの本当の姿を知ることをどれほど大切にしているかを考えてほしい。そして、生成AIのようなツールが、いかに彼らのありのままの声を入学願書から奪ってしまうことになるかを、理解してほしい」と彼は語った。
(forbes.com 原文)