作業用機器やロボットを開発するCuboRexは、道路建設などを行う日本道路と共同で、「一輪車電動化キット E-cat kit2」の実証実験を行った。作業員は50代の男性1人が、75キログラムのセメント袋を載せて、距離30メートル、6.7パーセント(約3.8度)の斜路を複数回運んでもらい、そのときの所要時間と肉体的負担軽減効果を評価した。
電動ねこ車を使った場合の運搬所要時間は、1回およそ13〜14秒。初回は電源を入れない場合と3秒ほどしか違わないが、同じ作業を繰り返すうちに、無電源では疲労が溜まり、次第の遅くなるのがわかる。電動のほうは1回目から5回目までほぼ変わらない。つまり、1日継続して作業を続けたときに、肉体的疲労が蓄積しない電動ねこ車の本当の有り難みがわかるということだ。
作業員のアンケートでも、実験に参加した8人全員が、「通常の一輪車に比べて疲労度が少ない」、「作業効率の向上を感じた」、「今後も使い続けたい」と評価している。普段から使い慣れているねこ車を電動化することで、作業方法を大きく変えることなく効率化できるのも大きなメリットだ。現場の「キツい」をロボティクスで軽減するというCuboRexのミッションを体現するものだと、同社は話している。
E-cat kit2は、既存のねこ車の車輪を、モーター内蔵車輪と交換し、電源やコントローラーをフレームに取り付けるだけで簡単に組み込める。最大積載量は100キログラム、最大登坂角度は25度。モーター出力は350ワット。1回の充電で連続稼働時間はおよそ2時間、実質約2日間の作業に使えるとのこと。IP54相当の防塵防水性があり、雨の日や水場でも使える。
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