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2024.03.01 14:00

1秒で画像生成もできるAI写真編集ソフトのPhotoroom、65億円調達

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2018年のある日の午後、GoProのプロダクトマネージャーを務めていたマシュー・ルイフ(Matthieu Rouif)は壁にぶつかった。彼は、同社のビデオ編集アプリ用のビジュアルを作成しようとしていたが、デザイナーは休暇中だった。その時、オフィスの向こう側では、社内研究の一環として、同社の人工知能(AI)チームが写真編集の一部を自動化していた。

アイデアが浮かんだのはその時だった。「スマホで写真を編集しているすべての人に、このアプリを提供すべきだと思いました」とルイフはフォーブスに語る。

この経験がきっかけとなり、ルイフはGoProを退社し、AIを用いた写真編集ソフトウェアを提供するスタートアップのPhotoroom(フォトルーム)を立ち上げた。同社の3000万人のアクティブユーザーには、ケニアのジュエリーメーカーやフードデリバリーのDoorDash(ドアダッシュ)といった多様な業種が含まれている。ルイフによると2019年設立のPhotoroomのユーザーは累計50億枚以上の画像を加工しており、商品写真の背景を鮮やかにしたり解像度を向上させたり、テキストを画像に変換するAIで商品写真をゼロから生成したりしているという。彼は、2016年に自身が設立した別の会社をGoProに売却していた。

Photoroomは2月27日、シリーズBラウンドで4300万ドル(約65億円)を調達し、評価額が5億ドル(約750億円)に達したと発表した。このラウンドを主導したのは、ロンドンを拠点とするアーリーステージに特化したベンチャーキャピタルのBalderton Capitalと、LVMHのベルナール・アルノー会長が設立した投資会社Aglaé Venturesで、Yコンビネータも参加した。Photoroomの累計調達額は6400万ドルに達した。

パリに拠点を置く同社のアプリのダウンロード数は1億5000万件を超え、年間経常収益は5000万ドルを超えたとルイフは述べている。

Photoroomは、ネットフリックスやワーナー・ブラザースなどのエンタメ企業からも注目されており、『バービー』や『ブラックミラー』を含む映画やドラマのプロモーション画像の作成に同社のAPIが利用されている。昨年10月に同社は、ユニバーサル・ミュージック・グループ傘下のレコード会社、リパブリック・レコードと提携し、テイラー・スウィフトのアルバム『1989』の自撮りジェネレーターを作成した。
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編集=上田裕資

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