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2024.03.01 14:00

1秒で画像生成もできるAI写真編集ソフトのPhotoroom、65億円調達

Photoroomが最初に注目を集めたのは2020年で、この年に同社はYコンビネーターのバッチに参加した。パンデミックの最中に、起業家たちは自社製品のオンラインカタログの制作を急いだが、写真家やプロの写真スタジオに頼むことができず、Photoroomのような写真編集ツールに頼った。生成AIツールが主流になる前のその頃の、最も人気のあるツールは、背景の除去や写真から不要なオブジェクトを除去する「マジックレタッチ」と呼ばれるツールだった。2023年に、より高度な生成AIツールが利用可能になるとPhotoroomは、ユーザーがテキストの命令文でゼロから背景ビジュアルを作成できる画像生成AIツールを発表した。

1秒でゼロから画像を生成

同社はその後、独自の画像生成AIのPhotoroom Instant Diffusionも発表した。このモデルは、他社のツールよりも画像の生成スピードが速く、 Midjourneyが30秒、OpenAI のDALL-Eが15秒かかるのに対し、1秒でゼロから画像を生成できるとルイフは述べている。

Photoroomの画像生成AIは、画像プロバイダーから提供されたものやアーティストから直接購入したものなど、数百万点の画像を集めたデータベースで学習を行っている。同社の共同創業者でCTOのエリオット・アンドレスは、Photoroomのモデルが最新のNVIDIAのGPUに最適化された「カスタムアーキテクチャ」によって、より高速に画像を生成することを可能にしたと述べている。

「当社のモデルの主な差別化要因はスピードです。私たちは、ユーザーが背景や画像を可能な限りすばやく生成できるようにしたいのです」とアンドレスは語った。

以前の職場の同僚の紹介で知り合った2人は、AIモデルの品質と精度を向上させる上で、当初は技術的な課題に直面したという。「ユーザーのほとんどは、画像の編集中にプロダクトの画像が変わることを望んでいません。背景の画像をリフレッシュしてほしいだけなのです」とアンドレスは話す。しかし、時にはAIが背景を正しく認識できず、オブジェクト自体の細部を変更してしまうことがあったという。

ルイフは、新たな資金をより多くのGPUとAIモデルを訓練するためのデータに投資し、現状で60人のチームを拡大することで、Photoroomのテクノロジーを向上させる計画だと述べている。

「私たちの使命は、ナイキやLVMHのような一流企業が用いるクオリティの高い写真を世界中の誰もが利用可能にすることです」とルイフは語った。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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