「被害者が自宅で気がつかないうちに盗撮するのは虐待的な行為だが、その手法や法的権限の管轄区域によっては、必ずしも違法とはならない。カメラの使い方や、商品説明でどのような表現が使われたかが大きなポイントとなる」と彼女は話す。
販売が「違法」と判断される可能性
商品説明に関しては、少なくともアマゾンに出品されていた商品では、浴室や寝室で服を脱いでいる人を盗撮するためのものであることを露骨に宣伝する文言は見られなかった。しかし、フォーブスが調査したところ、eBayやウォルマートのサイトでは「子どもの見守り用」と称したコンセント型などの隠しカメラが複数出品されており、下着姿の女性の画像が掲載されていた。中には、カップルがセックスしているように見える画像もあった。eBayに出品されていた2つのカメラは、歯ブラシホルダーとソープディスペンサーの中に仕込まれており、明らかに浴室での使用を意図したものだった。「eBayでは浴室や更衣室での使用を目的としたり、誰かが服を脱いだり親密な関係にある様子を撮影するための隠しカメラの販売を禁止している。当社のポリシーに違反する出品は、ブロックまたは削除される」と同社の広報担当者であるスコット・オーバーランドは述べた。同社は、フォーブスが指摘した規則違反が疑われる8つの商品を削除した。
ウォルマートも、フォーブスによる情報公開を受けてウェブサイトに掲載されていた3つのサードパーティ製品を削除した。しかし、アマゾンには、ポリシーに違反する商品に対処するモデレーションチームが存在するが、同社からコメントを得ることはできなかった。
現状では、これらの隠しカメラは合法ではあるものの、アマゾンに対する民事訴訟からも明らかなように、裁判所が違法と判断すれば、販売者はすぐに苦境に立たされる可能性がある。サンタクララ大学法学部のエリック・ゴールドマン教授は、裁判の続行を認めるという裁判官の決定を受け、次の様に述べた。
「裁判所の判断は、たとえ購入者が合法的に使用するつもりであっても、フック式隠しカメラの販売は違法になる可能性があることを示している。このため、今回の判決は隠しカメラ業界とアマゾンにとって危険なものだと言える」
(forbes.com 原文)