匿名の情報筋がブルームバーグに語ったところによると、アップルのジェフ・ウィリアムズ最高執行責任者(COO)とケビン・リンチ技術担当副社長は、社内で「タイタン」と呼ばれるEV関連の秘密プロジェクトに関わる2000人の従業員宛てのメモで、プロジェクトの中止を通達したという。
この決定によりレイオフが実施される見通しというが、どの程度の数の人員が影響を受けるかは明らかになっていない。ブルームバーグのマーク・ガーマン記者は、今から約1カ月前の1月24日にアップルがレベル2+の自動運転システムを備えたEVの発売予定を当初の2026年から2028年に延期したと伝えていた。
アップルはフォーブスのコメント要請に即座に回答していない。
アップルは、2014年から独自の自動運転システムを持つEVを開発しており、競争の激しい自動車業界への参入を目指していると報じられていたが、プロジェクトの詳細はほとんど明らかにされてこなかった。同社のティム・クックCEOは2017年に、自動運転技術が「最も重要な根幹の技術であり、すべての人工知能(AI)プロジェクトの母だ」と述べたが、開発の詳細については言及しなかった。
アップルはかつて、ペダルもハンドルもないレベル4の自動運転システムを備えたEVの製造を検討していると報じられたが、この計画を縮小し、車線の維持とクルーズコントロールを可能にするレベル2+のシステムを目指すと先月報じられた。同社は、EVカテゴリへの参入で、テスラや大手自動車メーカーと競合すると予想されたが、このプロジェクトには年間数億ドルのコストがかかるとも報じられていた。
ブルームバーグによるとアップルはEVの販売価格を10万ドル(約1500万円)と見込んでいたという。しかし、同社の経営陣は、この車両の潜在的な利益幅を懸念していたと報じられている。
(forbes.com 原文)