欧州

2024.02.28 10:00

ウクライナ軍、M1戦車を早くも1両失う ドローンの「トップアタック」か

米陸軍などの主力戦車M1エイブラムス(Shutterstock.com)

ウクライナ軍は、米国製のM1エイブラムス戦車を初めて失った。

26日にネット上に出回った、ロシア軍のドローン(無人機)が撮影した映像には、重量69トン・4人乗りのM1がウクライナ東部ドネツク州アウジーウカ西方でこのドローンに追跡されている様子が映っている。このM1は、ウクライナ軍第47独立機械化旅団に配備された31両のうちの一両だ。

別の画像では、同じドローンか別のドローンの攻撃を受けたらしいこの戦車が炎上している。

こうした事態が起こるのは避けられないことだった。ロシアがウクライナに侵攻して2年余り、拡大する戦場で、爆薬を搭載したドローンは双方の装甲車両にとって最大の脅威の一つとなっているからだ。徘徊する飛行機型やFPV(一人称視点)クワッドコプター(回転翼を4つ備えたヘリコプター型)などのドローンは、最も装甲の薄い車体上部を攻撃できる。

米国がウクライナの戦争努力のために供与を表明していた31両のM1は、昨年秋にウクライナに到着した。ウクライナ国防省は今月23日、M1がアウジーウカ北郊の集落ステポベ付近の道路を移動したり、夜間とみられる時間帯にロシア軍部隊を砲撃したりする動画を公開していた。

ウクライナに提供されたM1は、きわめて硬い金属であるタングステン製の装甲、側面に取り付けられたM19爆発反応装甲、120mm滑腔砲、高精細で昼夜対応の光学機器などを備えた2000年代のM1A1/SA(状況認識型)戦車だ。ウクライナ軍が保有する最高の戦車と言っていいだろう。

2週間前、10倍の規模のロシア軍と4カ月以上にわたって激戦を繰り広げてきたアウジーウカ守備隊が、危機的な弾薬の枯渇に見舞われてついに撤退し始めるなか、第47旅団のM1戦車大隊はアウジーウカ周辺で戦闘を開始していた

そして今回、1両を失ったことが初めて確認された。ロシア軍のドローン映像から推測すると、かねてウォッチャーらが恐れていたことが起こってしまったようだ。M1は装甲の薄い上部をドローンで攻撃され、内部で火災が発生し、それによっておそらく破壊された。乗員が脱出できたのかは不明だ。
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翻訳・編集=江戸伸禎

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