26日にネット上に出回った、ロシア軍のドローン(無人機)が撮影した映像には、重量69トン・4人乗りのM1がウクライナ東部ドネツク州アウジーウカ西方でこのドローンに追跡されている様子が映っている。このM1は、ウクライナ軍第47独立機械化旅団に配備された31両のうちの一両だ。
A Russian drone monitors a M1A1 Abrams tank near Avdiivka pic.twitter.com/ajyr7wAO5l
— PS01 (@PStyle0ne1) February 26, 2024
別の画像では、同じドローンか別のドローンの攻撃を受けたらしいこの戦車が炎上している。
Ukraine’s First M1 Abrams Tank Loss Appears To Have Occurred
— The War Zone (@thewarzonewire) February 26, 2024
The loss of an M1 tank would be significant for practical and propaganda reasons, especially if it falls into Russian hands.
Story: https://t.co/29Nv1co3Y6
米国がウクライナの戦争努力のために供与を表明していた31両のM1は、昨年秋にウクライナに到着した。ウクライナ国防省は今月23日、M1がアウジーウカ北郊の集落ステポベ付近の道路を移動したり、夜間とみられる時間帯にロシア軍部隊を砲撃したりする動画を公開していた。
ウクライナに提供されたM1は、きわめて硬い金属であるタングステン製の装甲、側面に取り付けられたM19爆発反応装甲、120mm滑腔砲、高精細で昼夜対応の光学機器などを備えた2000年代のM1A1/SA(状況認識型)戦車だ。ウクライナ軍が保有する最高の戦車と言っていいだろう。
2週間前、10倍の規模のロシア軍と4カ月以上にわたって激戦を繰り広げてきたアウジーウカ守備隊が、危機的な弾薬の枯渇に見舞われてついに撤退し始めるなか、第47旅団のM1戦車大隊はアウジーウカ周辺で戦闘を開始していた。
そして今回、1両を失ったことが初めて確認された。ロシア軍のドローン映像から推測すると、かねてウォッチャーらが恐れていたことが起こってしまったようだ。M1は装甲の薄い上部をドローンで攻撃され、内部で火災が発生し、それによっておそらく破壊された。乗員が脱出できたのかは不明だ。