メロン・グリベッツ:「ARヘッドセットで未来を垣間見る」
「今日のコンピュータはあまりにすばらしく、私たちはその恐ろしさに気づいていません」とグリベッツはいう。TEDトークに期待するようなオープニングではないが、グリベッツは神経科学がその答えになると考えている。先のキップマンと同様、グリベッツは私たちの祖先を例にする。猫背になりながら携帯電話に向かうのではなく、これまでの人類が、そして私たちがなぜ本物の人間とコミュニケーションするべきかについて語ったのだ。グリベッツは、コンピューティングは 「デジタルデバイスは私たちの身体を拡張するべきものである」という。空間コンピューティングとは、人間の体験をゲーム化したり、情報でごちゃごちゃにするのではなく、拡張することだ。その代わりに、私たちは現実世界にデジタル情報を重ね合わせたレイヤーを体験することになる。
グリベッツは『学習曲線ゼロ』のコンピュータ(つまり私たちがこれまでにも使ってきたコンピュータ)について述べ、それと対象になる新しい時代に重要な3つのインターフェースのガイドラインを説明している。
・あなたこそがオペレーティングシステム(OS)である
・Touch to See(タッチ・トゥ・シー):手を伸ばし、目に見えるものに触れることができる
・ホログラフィックキャンプファイヤー:2Dデバイスに気を取られることなく、アイコンタクトをとることができれば、私たちはお互いにもっとよくつながることができる
「コンピュータの未来はスクリーンの中に閉じ込められているのではない、私たちの中にあるのだ」とグリベッツは語る。
ナディーン・ハッハ=ハラム:「ARが外科手術の未来を変える」
ナディーン・ハッハ=ハラムは外科医である。TEDトークでハッハ=ハラムは、外科医がその場にいなくても治療ができるロボット手術について説明する。そして、外科医がARを通じて、どのように地元の医師を指導し、手技を指導できるかという未来の医療を説明した。ハッハ=ハラムはリアルタイムで行われている手術でARコラボレーションソフトウェアが実際に活用されている様子をライブ配信した。ARは、バーチャルでありながら人々が実際に会っているのと同じように交流することを可能にする。ハッハ=ハラムのTEDトークは外科手術に特化しているが、そこで話されている概念は誰にでも適用しうるものだ。ARや空間コンピューティングといった技術を活用すれば、医師が1人で手術を行えるようになるまで、ガイドし、訓練し、教えることができる。それは境界を打ち破り、人々をつなぎ、民主化されたアクセシビリティを実現するのだ。