そんな中、ドイツのミュンヘンを拠点とするスタートアップのRobCo(ロブコ)は、小規模な工場向けの低コストなモジュール式のロボットを開発している。同社は、これまで欧州の100社以上の顧客に約1000台のロボットを配備しており、売上高は1000万ドルに近づいている。
2020年に設立されたロブコは2月26日、ライトスピード・ベンチャー・パートナーズが主導したシリーズBラウンドで4300万ドル(約65億円)を調達したことを発表した。同社のCEOで、昨年のフォーブスの「30アンダー30」に選出されたロマン・ホルツは、新たな資金でロボットの人工知能(AI)関連の機能を拡充すると述べている。今回の調達によりロブコの累計調達額は6100万ドルに達し、評価額は約2億ドルに到達した。
「当社のロボットはAIを用いて工場内での理想的な動きを決定する」とホルツは述べている。
ロブコのロボットは、大規模な工場が使用する複雑で高価なシステムを必要とするものとは異なるものだ。同社は、製造機械への原材料の投入や、パレットの整理といった一般的なタスクを処理できるモジュールを提供している。このようなタスクを正確に実行するためには、機械のオン・オフや完成部品の向きなどをソフトウェアを用いて把握することが必要だ。
「当社は、バックグラウンドのソフトウェアプラットフォームを用いて、レゴブロックのようなロボットの仕組みを実現した」とホルツは述べている。
現在30歳のホルツは、ドイツ有数のロボット研究センターであるミュンヘン工科大学での研究をもとに会社を立ち上げた。彼は、キャリアの初期にテスラの事業開発部門に短期間勤務し、ドイツの産業ロボット企業のKuka(クカ)で製品開発に携わっていた。
ロブコは、以前の資金調達ラウンドでセコイア・キャピタルやUiPath(ユーアイパス)の創業者のダニエル・ダインズなどのエンジェル投資家から1900万ドルを調達していた。
同社は、BMWやボーイングなどの大手のサプライヤーを務める中小の工場向けに、1月あたり2000ドルから4000ドルの費用でロボットサービスを提供している。ホルツによるとロブコの顧客の約70%は、初めてロボットを導入する企業という。
「彼らは、自動化がまだほとんど進んでいない中小企業のビジネスをターゲットとしている」とベルリンを拠点とするライトスピードのパートナーのアレックス・シュミットは述べている。
(forbes.com 原文)