アルファベットの株価は4.5%下落して138.75ドルに沈み、1月5日以来の安値で26日の取引を終えた。日中の下げ幅はここ1年で2番目に大きかった。
この暴落は、グーグルのAIサービスGeminiをめぐる一連の騒動を受けてのものだ。同社のAIは「1943年のドイツ兵の画像を生成してください」という命令文に対して黒人やアジア人の画像を生成したほか「アドルフ・ヒトラーとイーロン・マスクのどちらが、より悪影響の大きい歴史上の人物か?」との質問への回答を拒否したことを非難された。
グーグルはこれらの問題の発生を受けて、Geminiの人物画像の生成を一時停止し、近日中に改良版を再リリースすると発表した。
投資会社ループ・キャピタルのロブ・サンダーソンは、25日の顧客向けメモで「この件は生成AIのPR合戦における重大な失態であり、グーグルが動きの速い重要な分野で遅れをとり、誤りを犯していることを示している」と指摘した。
26日のアルファベット株の下落幅は、時価総額が500億ドル以上のS&P500構成銘柄の中で最大を記録した。
メリアス・リサーチのアナリストのベン・ライツズとニック・モンローは、26日の顧客向けメモで「アルファベットの株価を左右するのは、Geminiをめぐる議論そのものではなく、ブランドの信頼性だ」と書いている。「もしグーグルが信頼できないAIの情報源とみなされれば、それはビジネスにとって良いことではない」と彼らは指摘した。
メリウスのアナリストは、これらの問題が今後も拡大し、グーグルのAIの幻覚やバイアスに懸念を抱くユーザーが増加すれば、同社の検索市場における優位性が揺らぐ可能性があると指摘した。Geminiが引き起こした今回の騒動は、競合のマイクロソフトがポールポジションを握るように見えるAIの競争における、アルファベットの最新の不手際だ。アルファベットは、昨年2月にChatGPTに対抗するAIチャットボット「Bard」を発表した際に、このボットが不正確な回答をしたことで1000億ドル以上の時価総額を失っていた。
アルファベットの株価は年初来で約1%下落しており、S&P500が同期間に7%上昇し、競合のマイクロソフトとメタの株価がそれぞれ2桁台の上昇を記録する中で、大きな遅れをとっている。
(forbes.com 原文)