食&酒

2024.03.03 15:00

マラソンは黄金の卵|山中伸弥教授×小山薫堂スペシャル対談(前編)

Forbes JAPAN編集部
小山:すごい!映画みたいなお話ですね。そこまで信念をもって何十年も研究を続けられるのは、やはり人の評価は気にせず、自らを信じているということでしょうか。

山中:でしょうね。いま思い出したけれど、アウン・サン・スー・チーさんが2013年、京都大学で講演をされたんです。そこである女子学生が質問をした。「何十年も軟禁されて、どうしてそんなにpatient(忍耐強い)だったのですか」と。すると、彼女は「私はpatientではありません。私はbrave(勇敢)なのです」と答えた。

小山:こちらもすごくいい話です。

山中:カリコさんもたぶんbraveな方なのでしょう。そういう人が社会を変えるんですね、きっと。(後編に続く)

今月の一皿


ゲストの山中氏がリクエストした「青椒肉絲」。大学のラグビー部でへとへとになって帰るとつくってくれた“母の味”。

blank


都内某所、50人限定の会員制ビストロ「blank」。筆者にとっては「緩いジェントルマンズクラブ」のような、気が置けない仲間と集まる秘密基地。


山中伸弥◎1962年、大阪府生まれ。医学博士、京都大学iPS細胞研究所名誉所長・教授。2006年にマウスの皮膚細胞から、07年にヒトの皮膚細胞からiPS細胞の作製に成功したことを発表。12年にノーベル生理学・医学賞、文化勲章を受ける。

小山薫堂◎
1964年、熊本県生まれ。京都芸術大学副学長。放送作家・脚本家として『世界遺産』『料理の鉄人』『おくりびと』などを手がける。熊本県や京都市など地方創生の企画にも携わり、2025年大阪・関西万博ではテーマ事業プロデューサーを務める。

写真=金 洋秀

この記事は 「Forbes JAPAN 2024年3月号」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

ForbesBrandVoice

人気記事