宇宙

2024.02.27 14:00

白色矮星の近くに繁栄した「高度な地球外文明」がまだ存続している可能性



赤色巨星としての太陽の未来はどうなるか?

シオンによると、白色矮星の大半は、太陽の1~8倍の質量を持つ恒星の最終生成物だ。興味深いことに、太陽は恒星の進化段階を示すHR図上の「漸近巨星分枝(AGB)」に沿って赤色超巨星として進化する間に質量の約40%を失うことが、進化のモデル計算によって明らかになっている。

この段階での進化は、恒星風というかたちで質量を大きく失うことで進んでいく。この大きな質量損失の段階では、惑星状星雲が形成されるとともに、赤色超巨星の中心核が宇宙空間にむき出しになり、白色矮星や(すぐに白色矮星になる)白色矮星前駆天体が新たに誕生する。

白色矮星の周辺で文明は存続できるだろうか。

シオンによると、白色矮星が単一で、安定している場合は可能だろう。すなわち、連星系の伴星との相互作用がなく、数十億年にわたってゆっくりと冷却していることが条件となる。さらに、太陽のような有害なフレアや磁気嵐を起こさず、おとなしくしている場合だ。

だが、非常に寒冷になる恐れがある

シオンによると、惑星が重力の影響で潮汐ロックの状態にあり、常に同じ面を主星の白色矮星に照らされている場合、反対側の面は絶対零度近くになる恐れがある。

知的生命体が存在する、地球に似た惑星は存続できるだろうか。

高度に進化した生命体が、制御核融合やより先進的なエネルギー源を利用可能な場合は、無制限の居住可能性を実現するのに不可能なことは何もないと、シオンは説明している。知的生命体は創意工夫に富んでいると考えられるため、従来の方法に代わる食物育成法を開発する可能性が高いという。

白色矮星からの光についてはどうか?

シオンによると、表面温度が4500ケルビン(約4200度)では可視光放射があると考えられるが、白色矮星が長い時間をかけて冷えるのに従い、放射の大半が遠赤外域にシフトする。すると、惑星に届く可視光の放射量がさらに小さくなる。

白色矮星が1000ケルビン(約700度)を下回るほど冷えると、暗さの影響がおよび始めると、シオンは続ける。最終的に、白色矮星が蓄えていた熱エネルギーをすべて放出して冷却し、表面温度が絶対零度に近い「黒色矮星」になると、惑星から「昼間」がなくなってしまうという。

forbes.com 原文

翻訳=河原稔

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