これらのミサイルの射程は、Su-24が戦線の数十km後方から発射できるほど長く、有用な情報があればクリミア各地にいるロシア軍を攻撃することができる。第7旅団が近接の爆撃から長距離ミサイル攻撃に軸足を移して以来、失ったSu-24はわずかだ。
第7旅団の技術者たちは損失率が下がっても、飛べる状態にないものの改造が可能なSu-24を探し続けた。「彼らは機体を修復し続けた」とブラツィクは語った。
ウクライナは旧ソ連空軍から少なくとも100機、もしかすると200機もの超音速で飛ぶSu-24を引き継いだ。たとえ修復できるのが数十機で、残りは予備のパーツを確保するのにしか使えないとしても、第7旅団は何年も戦い続けるのに十分な数の機体を保有しているはずだ。
ウクライナが、補填用として例えばフランスのミラージュ2000といった爆撃機の供与をさほど強く求めないのはそのためだ。もちろん、第7旅団は新たな供与を断らないだろう。だが、同旅団にとって戦闘機の補充は最大の問題ではない。
最も緊急に必要としているのはミサイルだ。第7旅団は昨年、ストームシャドーとスカルプEGを100発ほど手に入れたが、そのほとんどをすぐに使い果たした。
フランスは1月に追加でスカルプEG40発を供与すると約束した。だが、英国はストームシャドーの追加供与を申し出ていない。英空軍はミサイル在庫の減少をかなり心配している。そのため英政府は、英空軍が何の懸念もなくストームシャドーを追加で供与できるよう、ドイツ政府に巡航ミサイルのタウルスを英空軍に提供するよう要請したと報じられている。
もちろん、ドイツがウクライナに直接タウルスを送ることも可能だが、ドイツのオラフ・ショルツ首相はウクライナに長距離ミサイルを「段階的に増やしながら」送ることに一貫して反対している。
ウクライナの同盟国がミサイル生産に大規模な投資をしない限り、第7旅団には常にミサイル不足の懸念がつきまとう。ミサイルを発射する爆撃機がたくさんあってもその懸念から逃れられない。
(forbes.com 原文)