経済的な先行き不安
米財務省は「インフレの大幅な改善にもかかわらず、米国人は物価高に依然苦しんでいる」と報告している。米国の家計債務をみると、クレジットカードへの依存が高まっていることがわかる。CNBCが今月12日に報じたところによれば、米国のクレジットカード債務残高はいまや1兆1300億ドル(約170兆円)に上り、1人当たりの平均債務額は6360ドル(約95万7000円)と、いずれも過去最高を記録。支払いを翌月に繰り越す傾向が強まり、支払いが滞るカード保有者も増えている。
セントルイス連邦準備銀行の2023年第3四半期の統計では、クレジットカード債務に苦しむ人の割合が、2008年世界金融危機と同水準まで急増していることが明らかになった。
雇用機会の不足と生活費高騰の中、若年成人は経済的に親に依存するようになっている。ピュー・リサーチ・センターの最新報告書によると、18~34歳の成人した子どもがいる親の60%が、わが子を金銭的に援助していると回答した。
この調査ではまた、若年成人の57%が親と同居するか親元で暮らしていると答えた。住宅価格の高騰、インフレ、広範な経済不安により、若年成人の多くは自立した生活が困難になっている。
市場調査会社ハリス・ポールが昨年8月に米国成人2000人を対象に実施した調査では、およそ66%が、若者たちは上の世代が経験してこなかった困難に直面していると考えていた。また、Z世代の65%とミレニアル世代の74%が、自分の経済状況は上の世代の同じ年頃と比べて劣っていると答えた。
(forbes.com 原文)