マスクは、あるユーザーからの問いかけに答えるかたちでバイデン政権が「少なくとも一部の不法移民を今年の選挙までに合法化し、次の選挙までに全員を合法化する」と投稿した。
マスクがこのような主張を行うのは今月に入り2度目のことで、彼は以前も「バイデンの戦略は、可能な限り多くの不法入国者を受け入れて、彼らを合法化し、恒久的な多数派を作り出すことだ」と主張していた。
マスクは3日のXの投稿でも同じ主張を展開したが、その投稿に「バイデン大統領が何百万人もの不法移民に市民権を与えるための法案を推進している」と題された2021年のAP通信の記事を添えていた。
彼はそれ以来「すべての強制送還は民主党から票を奪うことにつながる」という別の根拠のない主張を支持しており、バイデン大統領が支持する国境警備法案の目的が「不法移民に投票権を与えることにある」と主張している。
マスクは、民主党とバイデン大統領がそのような戦略を推し進めているという主張を、証拠を提示せずに繰り返している。彼のこの主張はまた、実際の移民プロセスを反映していない。ファクトチェック団体のポリティファクトによると、移民が大統領選挙の投票に必要な米国の市民権を得るまでには10年以上の時間がかかるという。さらに、グリーンカードの保有者でさえ、市民権を得るまでに平均5年待たされる。
また、米国の市民権を得た移民が民主党やバイデン大統領に投票するという保証はなく、バイデン大統領が支持し、上院で超党派の支持を得ている国境警備法案にも、米国に住む不法移民に市民権を与えるという条項は含まれていない。
一方、民主党が票と引き換えに不法移民に市民権を与えるという陰謀論は、トランプを含む保守派の著名人から支持されている。昨年末のトゥルース・ソーシャルの投稿でトランプは「数百万人のまったく審査を受けていない移民」が「狂った民主党」によって入国を許可されていると主張した。今月上旬の選挙イベントにおいても彼は「民主党がこの人たちの入国を許可し、投票を促している」という虚偽の主張を繰り返した。
このイデオロギーは、元FOXニュースのタッカー・カールソンを含む保守派のインフルエンサーやコメンテーターらによって推し進められた。カールソンはかつて、このイデオロギーについて「これは陰謀論ではない。(民主党の)選挙戦略だ」と述べていた。
(forbes.com 原文)