エイビアントは、地元の小売業者やレストランと提携しており、顧客はKyteと呼ばれる専用アプリを通じてデリバリーを注文できる。同社のドローンは最大の1.5kgの荷物を運ぶことが可能で、平均配達時間は24分だという。
同社はコロナ禍の最中に医療物資のデリバリーを開始し、本社を置くトロンハイム市で初期テストを行った後、コンシューマー向けのデリバリー事業をスタートさせた。
「当社のビジネスは、欧州におけるドローンを用いたデリバリーが、仮説の段階から現実世界で利用可能な使い方へと進んだことを示しています」と、エイビアントの創業者でCEOのラース・エリック・ファゲルネスは語った。
エイビアントのドローンは、ノルウェーではおなじみの極寒の気温に対応しているため、他のドローン配送業者より優位に立つことができると、同社では述べている。そのドローンは、氷点下15度の気温や、風速12m/sの強風の環境下でも稼働できるという。同社はノルウェー以外の地域への展開も計画している。
欧州の他の地域では、アイルランドのManna(マンナ)が母国以外の地域にサービスを広げようとしており、アルファベット傘下のWing(ウイング)も、フィンランドとアイルランドで配送を行っている。
ドローン配送は過去10年の間、大きな期待を集めてきたが、業界は適切な製品と市場の適合性を見つけるために苦戦してきた。
しかし、ファゲルネスによるとドローン配送は、今では新たなフェーズに達し、より現実的なビジネスに成長したという。
ドローンデリバリーの新興企業や推進者は、ドローンが既存の輸送よりも環境に優しいと主張しており、エイビアントも、ドローンのCO2排出量が自動車よりも99%少ないと述べている。
ファゲルネスは、他の2名の共同創業者と共に、マサチューセッツ工科大学(MIT)で学んだ経験を持っている。エイビアントは、累計300万ドル(約4.5億円)以上の資金を調達しており、直近ではイノベーション・ノルウェーからの公的資金を獲得したほか、Luminar Ventures(ルミナー・ベンチャーズ)とBring Ventures(ブリング・ベンチャーズ)の2社から支援を受けている。
(forbes.com 原文)