AIは、既存の銀行だけでなく、新興のフィンテックが、より良いサービスを構築するのを支援する役割を担っている。「信用スコアリング、不正検知、リスク管理、本人確認、パーソナライズされた顧客サービスなど、金融業界の複数の分野でAIの影響がすでに見られます」とマルガリスはいう。そして、今後のバージョンアップにより、「企業は十分な情報に基づいた意思決定を行い、プロセスを合理化し、よりパーソナライズされたサービスを提供できるようになるでしょう。この技術はまた、金融サービスのコストを下げ、従来の銀行オプションへのアクセスも増やすでしょう」。
この過程で、AIは「金融サービスの民主化を促進し、より広範な人々対してさらに使いやすく、手頃な費用で利用できるようにするでしょう。これは、コストと複雑さのためにこれらのサービスの利用に障壁を感じていた人々にとって特に有益です」とマルガリスは説明する。
さらにマルガリスは、「フィンテック産業は金融セクターを民主化することを得意としてきましたし、さらに強力なAIモデルがこの業界の民主化プロセスを加速することを可能にするでしょう」と付け加えた。
それでも、AIには慎重に取り組まなければならない、と彼は警告する。「AIの潜在的なメリットにかかわらず、企業はプライバシー、セキュリティ、公平性を含む、倫理的および規制上の意味合いを考慮しなければなりません。AIを効果的に使用するには、データの品質を保証し、倫理的な慣行を確保するための慎重なアプローチが必要です。それによって欠陥のある結果や訴訟の可能性を避なければなりません」。
「私たちは常に、AIモデルが特定の決定をどのように下すのかを理解しておく必要があります」と彼は付け加える。「実際、AIモデルの透明性は、モデルが特定の個人に害を与えるように意図的に設計されたバイアスを含まないことを確実にするためにも不可欠です」。
「(起業家と企業は)AIモデルの訓練に使用されるデータができるだけ偏りがなく、正確であることを保証できなければなりません。AIを誤用する企業は、深刻な結果に直面することになるでしょう」。
また、AIが「すべての問題を解決できるわけではないことを忘れてはいけません」とマルガリスはいう。「つまり、この技術を、すべてを解決してくれる魔法の薬だと考えるべきではないということです。AIは人間のスキルや創造性に取って代わるのではなく、それらを補完するものであるべきなのです。堅牢なビジネスモデルは、AIの能力と人間の直感や創造力とのバランスを取る必要があるのです」。
(forbes.com 原文)