ファッション

2024.03.16 10:15

街中の広告を洋服に。「リガレッタ」はなぜ高品質なハイブランドを目指すのか

リガーレの長谷川春奈、クリエイティブディレクターの守田篤史

継続できるブランドに

リガレッタは、2023年8月に丸の内の「Have a Nice TOKYO!」にて期間限定で展示販売会を開催。その反響を受けて、12月にも同所で2回目の展示販売会を実施した。
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購入者は、大手町・丸の内・有楽町エリアのビジネスパーソンが中心。まちで目にしたことのある広告がファッションアイテムにアップサイクルされていることに、驚きと親しみを感じる人も多いという。
老若男女問わず使用できる名刺入れも人気商品のひとつ。「名刺入れ」(red/yellow/sky blue)/1万4300円(店頭販売)

12月に新しく発売したミニトートバッグ(千鳥格子)/4万2900円(受注販売)

2回の展示販売会を終えて、企業や自治体からの問い合わせも多数あった。
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「まちを起点にしたブランドは世界でも希少だと思います。Ligarettaはまちづくりのひとつとして展開しているので、人々にリガレッタの商品に込めたストーリーを知ってファンになっていただき、そこに大丸有のまちづくりへの想いを感じていただくことが真の目的です。今年は我々だけでなく、まちで働く人や訪れる人と一緒にブランド構想を考え、関わってもらいたいと思っています。例えばワークショップを通してリガレッタの取り組みへの理解を深めたり、商品企画を考えたり。まちの中でLigarretaを育てていけたらと思っています。」(長谷川)

今後の展望について語るとき、守田は「継続すること」を強調する。

「大丸有エリアにバナーフラッグを掲出する広告主の方々が、最終的にリガレッタで商品化するところまでを視野に入れてもらえるような、そんなブランドになりたい。それがクールなことだと考えてもらえると素敵ですよね」

現在は、バナーフラッグのアップサイクルに取り組んでいるが、「まち由来の素材」はそれだけではない。イベントで使用する什器など、アップサイクルする資材のバリエーションも増やしていく予定。

守田は、リガレッタのような「まちの物語が沁み込んだ」ブランドが、他のエリアでも生まれることを願う。ブランドが成長し、そのまちに集う人々の誇りになれば「バナーフラッグをアップサイクルしたファッションブランド」を超える大きな存在になれるはず。

リガレッタの紡ぐ物語は、少しずつまちに沁み込み始めている。

文=尾田健太郎 編集=田中友梨 撮影=小田光二

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