アメリカ心理学会(APA)によると、不安は「緊張感や心配、血圧上昇をはじめとする身体的な変化を特徴とする感情」と定義されている。不安障害のある人には大抵、繰り返される非自発的(侵入的)な思考と懸念がある。そして、「心配する気持ちから、特定の状況を避けるようになる場合や、発汗や震え、めまい、心拍数の上昇といった身体的な症状が現れる場合がある」とされている。
「不安」をコントロールするために─
あなたが現在の職場でこうした状態を経験しているとしたら、まず必要なのは、状況を分析し、不安を感じる原因になっているものを突き止めることだ。それは、同僚たちが作っている有害な職場環境だろうか。ハラスメントや差別を受けていると感じているためだろうか。あるいは、常に職を失うことを恐れているのだろうか。それとも、上司が威圧的だったり、マイクロマネジメントする人なのだろうか。
雇用主から十分なサポートが得られないことや、キャリアの今後について、少ない給料で生計を立てていくことなどに、不安を感じているのかもしれない。
いずれも「もっとも」な不安であり、その状況を何とか切り抜け、コントロールできるようにするためには、専門家のサポートを求めることが重要だ。だが同時に、環境を変えることも検討すべきだろう。
特に仕事が原因で不安障害の症状が出ている場合には、仕事を楽しめないだけでなく、十分な成果を上げられない、キャリアにおける前進が妨げられる、といったことが起きる心配もある。
解決するためには、例えば社会不安障害(対人恐怖や赤面恐怖など)に悩んでいるなら、人と接することが少ない業務に変えて欲しいと願い出ることも、そのひとつだろう。職場環境が有害だと感じるなら、勤め先を変えるのがいいかもしれない。あるいは、キャリアそのものについて、考え直すこともできる。