欧州

2024.02.21 09:30

ウクライナがロシア軍のスホーイをまた撃墜、3日で計6機の大戦果に

2017年7月、ロシア西部ジュコフスキーで催された航空ショーで編隊飛行するロシア空軍のSu-35戦闘爆撃機(Borka Kiss / Shutterstock.com)

とはいえ、3日で6機というここ数日の損耗率は、もしこのペースが続くとすればロシア空軍もとても持ちこたえられないはずだ。ロシアがウクライナに全面侵攻した2022年2月以来、ロシア空軍はジェット機を95機失っている。月に4機のペースだ。しかし、過去1週間では月60機に拡大している。
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保有するジェット機の総数が1000機程度のロシア空軍にとって、月60機の喪失というのは破滅的だ。英王立防衛安全保障研究所(RUSI)の先週のレポートによれば、ロシア空軍にとってそれ以上に大きな痛手は経験豊富な航空機搭乗員の喪失かもしれない。

RUSIのアナリストであるジャック・ワトリングとニック・レイノルズは、ロシアの航空作戦は「重要な任務を遂行するのに十分な経験を積んだパイロットの利用可能数によって制約されている」と指摘している。

とはいえ、ウクライナ空軍が1日2機というペースでロシア軍機を撃墜し続けられるとは考えにくい。米会議のロシア寄りの共和党議員らが米国によるウクライナへの援助を妨害し始めて4カ月たつなか、ウクライナ軍のパトリオットの在庫は「危機的な水準に落ち込んでいる」(元ウクライナ内相顧問のアントン・ヘラシチェンコ)からだ。
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ウクライナ側はパトリオットをスホーイの撃墜だけに使うわけにもいかないだろう。ウクライナ側は1発数百万ドルするパトリオットミサイルを、キーウやハルキウ、オデーサを狙うロシア側の弾道ミサイルの迎撃でも頼りにしている。

つまり、今回のようなスホーイ大量撃墜は今後はあまり期待できそうにない。ウクライナ側には撃墜できるシステムはあっても、肝心のミサイル自体が足りない。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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